全宅管理オーナー通信
当社も加盟している「一般社団法人全国賃貸不動産管理業協会」では、年に4回オーナー通信を発行しているのですが、2024年冬号に「建築物省エネ法」に関連し、「賃貸住宅にも省エネが求められる時代」と言った、興味深い記事が出ていたので、ご紹介します。
新築賃貸住宅に省エネ基準が義務化に
賃貸経営に少なからず影響を与える法律が2022年6月に改正されました。建築コストや収益性にもかかわる「建築物省エネ法」です。
現在、省エネ基準への適合義務は、延床面積が300㎡以上の非住宅に限られ、個人住宅や規模の小さいアパートなどは対象外です。
しかし2025年度からは、例外なく省エネ基準への対応が適合義務になります。
これから土地活用や賃貸住宅の新築を検討している場合は、意識しておく必要があるでしょう。
また、これから建てる省エネ基準をクリアした賃貸住宅は、古い住宅と比べると入居者にとって魅力的に感じられるはずです。
入居者も賃貸住宅の省エネ化を希望
この省エネ基準の義務化に合わせて、2024年4月から、建築物の販売・賃貸を行う事業者は、新築建築物の販売・賃貸の際に所定のラベルによって省エネ性能を表示することが必要となります。
賃貸住宅に関しては、部屋探しサイトなどで省エネ性の表示が行えるようになります。
つまり、部屋探しをするお客様は、省エネ性を比較して部屋を探すことが可能になるのです。
入居者の不満は賃貸住宅の性能
光熱費が高騰し、テレワークなどで家時間が増加することで、賃貸住宅の入居者の不満は、断熱性などの性能に関して多くなっています。
特に光熱費に関しては敏感になっており、省エネ性の高い住まいなら、家賃が高くなっても構わないという入居者も増えていくでしょう。
省エネ基準をクリアした新築住宅と、既存の住宅では省エネ性能に差が出てくるはずです。
しかし、様々な工夫をすることで断熱性能を高めることは可能です。
住宅の省エネ性をアップするポイント
窓などの開口部を断熱する
住まいの断熱性能をアップする最も手軽な方法は、窓の断熱性能を上げることです。
古い賃貸住宅では、アルミサッシと単層ガラスの窓がついていることが多いでしょう。これを樹脂サッシとペアガラスの組み合わせに変えることで、断熱性能を良くすることができます。
断熱性能の向上は、光熱費の抑制だけではなく、夏は涼しく冬は暖かいという快適性にもつながります。
また、遮音性能も高まりますので、テレワークなどで日中の在宅時間が長い方の満足度も高めることができます。
寒さを感じるのは足元から
特に寒さを感じやすいのは足元。1階住戸では特に床下からの冷気が上がってくることもあり、冷えがちです。
床材などを張り替える際に、床下の断熱材を追加するなどの工夫をするだけで断熱性能は上がります。床材の張替と同時に行えば、コストもそれほどかからず済みます。
ぜひ管理業者に相談してみましょう。
エアコンなどの設備の省エネ化もポイント
住宅の光熱費で多くを占めるのが、照明とエアコンなどの冷暖房です。まず、電球や蛍光灯などの照明器具をLEDに変えることで、大幅な省エネにつながります。またLEDは寿命も長いため、メンテナンス費用の抑制にもつながります。
また、エアコンは毎年のようにその性能が上がり、省エネ性能も数年前のものとは比べ物になりません。年数の経ったエアコンはまず交換を検討しましょう。
設備交換のタイミングが大切
一般的に設備を交換するのは、入退居時の空室のタイミングが多いのではないでしょうか。しかし効果的なのは、入居者の契約更新時。更新時のサービスとして、エアコンや照明器具の交換、給湯器の交換、さらには断熱窓への交換などを行うことで、入居者は長く住みたいと感じるはずです。
空室になるのを待つのではなく、入居者が喜んでくれるタイミングで設備を交換することが、空室率を下げることにつながるのです。
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