「利回り」は高ければ良いという訳ではない⁉③
「利回り」について全3回に渡って解説をしておりますが、第3回目の今回は利回りが影響を受ける要素について解説します。
利回りを決める3つの要素
利回りは年間の収益を物件の購入価格で割ったものだということは前述しましたが、利回りはどのような要素の影響を受けて決まるのか。
このポイントが分かれば、「利回りが高ければいい物件」といいうものではないということへの理解も深まると思います。
利回りは、次の3つの要素に影響を受けて、決まっていきます。
①売却の容易さ
②収益の持続性
③家賃下落のリスク
の3つです。
①売却の容易さ
不動産は物件を売却した時点でその物件の利益が確定します。
物件を購入する投資家は、物件の売却がしやすければ、運用中の利回りが多少低くても、確実な利益が確定できると考え、その物件を購入します。
賃貸需要の旺盛な首都圏や地方の大都市の物件は、賃貸需要の低い地方の物件に比べて、売却しやすいので利回りは低くても購入してもらいやすいのです。
一方、地方などの物件は、売却しにくいので、高い利回りにしないと購入してもらえません。
②収益の持続性
利回りが10%の場合10%×10年=100%となり、10年で物件の元をとった計算になります。
利回りが8%の場合は12.5年、15%の場合は6.7年で元がとれます。
その物件が今後どの程度の期間収益を上げ続けることができるか。
新築物件や築浅の物件であれば長い期間収益を稼ぐことができるので利回りは低くなり、残り数年しか収益が上がらない可能性が高いと想定される築古の物件などは利回りが高くなります。
③家賃下落のリスク
家賃が下がるリスクが高ければ、利回りを高くしなければ誰も購入してくれません。
一方で、賃貸需要が豊富にあり、希少価値の高い物件であれば、家賃が下がるリスクは低く安定的な収益が確保できるので、利回りは低くても購入してくれる人が現れます。
いままで、述べたように「利回りが高い」ということは、利回りが高くないと物件を購入してもらえない何らかの理由があると考えるべきです。
ですので、収益物件のサイトや不動産会社の物件案内に記載している利回りだけを鵜呑みにするのではなく、表示されている利回りが、「なぜそんなに高いのか」、「その利回りの実現性は高いのか」、「その利回りはどのくらいの期間期待できるのか」など様々なことを検証したうえで利回りを見る必要があります。
利回りだけで判断するのではなく、周辺の賃貸需要や物件の状況などをしっかりと調査した上で、その物件が投資に適した物件なのかを見極めることがとても重要です。
現在の一棟アパートの利回りの平均は7.92%
新規に登録された住宅系収益物件の利回りがどの程度であるかについては、不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」のレポートニュースで、毎月、確認することができます。
最新のデータによると、
一棟アパートの地域別の利回りは次の通りです。
【全国】7.92%(前年5月8.40%)
【北海道】10.88%(前年5月11.37%)
【信州・北陸】12.64%(前年5月13.13%)
【首都圏】7.47%(前年5月8.03%)
【東海】8.95%(前年5月9.51%)
【関西】8.60%(前年5月8.62%)
【中国・四国】11.85%(前年5月11.86%)
【九州・沖縄】9.21%(前年5月8.58%)
一部地域を除いて、前年から利回りが大きく低下しています。
これは、建設費の高騰によって新築物件の価格が上昇して利回りが下がっていること、不動産投資ブームで需要が大きくなっており、売主の売買価格の設定が強気になっていることが要因と考えられます。
最後に、物件情報などを見る際は、額面上の利回りの表示だけで物件の良し悪しを判断せずに、「なぜそのような利回りになったのか」「実際に運営していく上での実際の利回りはどの程度なのか」などのしっかりした判断基準をもっていただければ、よりよい賃貸物件を取得できるものと考えております。
当社では空室対策などさまざまなオーナー様へのお手伝いいたしますので是非一度当社にお問合せください。
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