なぜ地主さんは税金対策でアパートを建てるのか⁉①
アパートを建てるといろいろな税金が節税できる!
みなさんも、アパートを建てると税金が安くなるという話は聞いたことがあると思います。
今回は、「なぜ、地主さんが税金対策としてアパートを建てるのか⁉」について、どんな税金が、どんな仕組みで節税できるか全3回に渡って解説していきたいと思います。
地主さんが節税でアパートを建てるのは相続税が下がるから
相続税とは、亡くなった方の預貯金や不動産などの財産を、配偶者や子などが引き継いだ際に、引き継いだ財産の額に応じて、かかってくる税金です。
相続税には、基礎控除というものがあり、相続財産が、「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」までは、税金がかからない仕組みになっています。
例えば、ご主人が亡くなられ、法定相続人が奥様と子供2人だったとすると、「3,000万円+(600万円×3名)=4,800万円」が基礎控除となり、それまでの範囲の財産であれば相続税がかかりません。
市街地の土地の相続税評価は、土地の面積(㎡)に路線価(国税庁が相続税や贈与税を課税するために公表している1㎡当たりの土地の単価)をかけて計算されます(路線価が設定されていな地域は倍率法という評価を行います)。
例えば、市街地に1,000㎡の更地を持っており、その路線価が15万円/㎡だったとすると、その土地だけで1億5,000万円の相続税評価額になってしまいます。
ですので、土地の評価が高い市街地などに大きな土地などを持っている地主さんにとっては、相続税は大きな負担となってしまいます。
では、更地でそのまま相続が発生した場合と、アパート建築後に相続した場合では、どの程度の相続税が変わるのでしょうか?
市街地で、更地や農地、駐車場など建物が建っていない土地や、自宅など自分で利用していたり、家族に無償で貸している(使用貸借といいます)土地の場合は、「自用地」として評価され、軽減が受けられません。
一方、土地の上に自分で建物を建てたうえで、その建物を他人に有償で貸した場合は、自分で使用するよりも様々な制限を受けるため、一定の軽減をうけることができます。このような土地を「貸家建付地」といいます。
「貸家建付地」は「自用地」に対して、90%~75%程度で評価されます。計算式は以下の通りです。
貸家建付地評価額=自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
借家権は、建物を借りている人が建物を利用する権利で、借家権割合は、全国一律で30%と決められています。
借地権は、第三者から土地を借りて対価を支払った場合の土地の上に建物を建てる権利をいいます。
借地権が割合は、土地の権利のうちに借地権が何割を占めるかを示す数字で、路線ごとに国税庁が30%~90%の間で定めています。それぞれの借地権割合は下の図のような路線価図で調べることができます。
一方、建物の相続税評価額は、固定資産税評価額です。固定資産税評価額は、実際の建設費のだいたい60%~70%になります。つまり、現金や借入金で建築したとしても、建ち上がった時点で、実勢価格から3~4割評価が下がります。
それに加えて、貸家は建物所有者の利用が制限されるので、借家権割合として30%を控除できます。貸家の相続税評価は下記の計算式で計算されます。
貸家の評価額=固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
それでは、次回のブログで実際にどの程度の相続税が下がるのかについて解説していきます。(次回は9/19です)
関連した記事を読む
- 2024/11/22
- 2024/11/19
- 2024/11/12
- 2024/11/08