最新調査に見る 入居者が求める設備とは
全国賃貸住宅新聞から発表された「入居者に人気の設備ランキング2023」(全国の不動産会社512社がアンケートに回答)をもとに、単身者向けとファミリー向けに分けて、入居者のニーズがどのように変わっているのか見ていきます。
まずは「この設備がなければ入居が決まらない設備」。まさに今、入居者が不可欠としている設備のランキングです。
エアコンの重要性が再認識
今回の調査から、エアコンの項目が設定されました。やはり単身者もファミリー層も1位にランクされました。
今やエアコンの付いていない物件のほうが少ないくらいで、入居者にとっても当たり前の設備になっています。
ただし、光熱費が高騰している現在では、エアコンにも高い省エネ性能が求められています。エアコンの耐用年数は家庭用で6~10年と言われています。古くなっている機器は、早めに最新の省エネモデルと交換しましょう。
セキュリティ関連も当たり前の設備に
TVモニター付インターホンは、単身で2位、ファミリーでも3位で、入居者にとって一般的な設備になっています。セキュリティ関連は他にもエントランスのオートロックも上位になっています。
他にも室内洗濯機置き場や、独立洗面台など暮らしの快適性や利便性についての設備も人気に。
このランキングの設備は、入居者にとって当たり前に近いもの。空室対策はもとより、更新時のサービスとして交換することで入居者に長く住んでいただくことにつながります。
家賃が少し上がってでも欲しい設備
全国賃貸住宅新聞では、もう一つの調査「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる」ランキングを行なっています。
単身向け物件では前年度と順位が変わらず、前年度同率で7位だった防犯カメラと24時間利用可能ゴミ置き場が少し人気を落としています。
さらに、前年度単身向けの10位だった追い焚き機能にかわり、前年度12位だったウォークインクローゼットがランクに入りました。
ファミリー向けでは細かく順位が変動し、室内洗濯機置き場やシステムキッチン、宅配ボックス、24時間利用可能ゴミ置き場などが順位を上げています。より生活を便利に、効率化したいという意向が感じられます。
インターネット無料は安定の人気
インターネット無料のサービスはここ数年安定して1位になっているサービスです。個別で回線を用意すると、時間もかかりますし、金額も月に数千円ほどかかります。無料であればその分家賃に上乗せされていても気にならないという入居者のニーズがあります。
また個人向けの3位、ファミリー向けの6位に高速インターネットが入っています。これはテレワークなどのニーズが高まり、テレビ会議などでも快適に仕事ができる環境を求めている方が増えていることが考えられます。
インターネット無料を考える際には、回線の速度にも注意して導入しましょう。
ウォークインクローゼットが再人気
ウォークインクローゼットの人気が高まっていることに注目してみましょう。
これはテレワークなどで自宅で仕事をすることが増えたことが一つの要因だと考えられます。
物理的な問題として、仕事の資料や道具などを自宅に持ち帰る必要がありますから、これらの収納場所が必要になります。また、心理的な問題としてテレワークなどでの家時間の増加により、すっきりとおしゃれなインテリアに囲まれていたいということがあります。
ウォークインクローゼットのような大容量のスペースがあれば、これらのニーズが解決できるため、再び人気が高まっていると考えられるのです。
このように設備のニーズは時代によって、そしてエリアやターゲットによって変わります。ぜひ空室対策や入居者の満足度アップのために、設備の充実を検討してみましょう。
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