繫忙期に向けた賃貸住宅オーナーの心構え②
前回に引き続き、繁忙期に向けてどのような準備をしていかなければならないのか考えていきます。
エリア内の設備の導入状況を把握する
同じエリア内の物件の状況を調査したら、次にエリア内の設備の導入状況を調べます。
特に、入居者に人気のある設備が導入されている物件がどの程度のあるのか把握することで、次の空室対策のヒントになります。
今、入居者にどのような設備の人気が高いのかについては、毎年、全国賃貸住宅新聞社が行っている「人気設備ランキング」が参考になります。
このランキングは、実際に入居募集をしている不動産会社へのアンケートをもとにランキングを出しているので、入居者の生の声を反映しているものだと言えます。
単身向けでは、常に「インターネット無料」「オートロック」「宅配ボックス」「浴室換気乾燥機」があれば、相場より家賃が高くても決まりやすいという設備とされており、「TVインターホン」や「洗浄機能付き便座」は、直近の調査では、すでに当たり前の設備になっているという調査結果になっています。
では、先ほどのエリアにおいて、募集中の物件がどの程度「入居者に人気の設備」を導入しているか、不動産ポータルサイトの「こだわり検索」機能を使って調べることができます。
下の表が調査結果ですが、この結果でもわかるように、単品の設備を導入するよりは、人気の設備を複数導入することで、最終的に該当物件に残りやすくなることが分かります。
エリアによって、人気設備の導入状況に違いがあるので、ご自身の物件もエリアで同様に調査を行い、どの設備を導入すれば、最終的な内見の候補に残るのか検討が必要です。
内見数に対する成約率を把握する
繁忙期に向けて、さらにオーナーに知っておいていただきたいことは、入居者希望者が入居を決めるまでに、どのくらいの物件を見て回り、決定にいたっているかという内見に対する成約率です。
内見に対しての成約率を知るには、株式会社リクルートの「SUUMOリサーチセンター」が2023年9月に発表した「2022年度賃貸契約者動向調査(首都圏)」が参考になります。
最新のデータでは、賃貸物件を検討する入居希望者が見学した物件数の平均は、下の表の通り2.7件となっています。
ということは、入居希望者が1件の物件を決めるのに、2.7件の内見をするということが分かります。
成約率は、1÷2.7=0.3703、すなわち、内見数に対し、37%の確率で成約に至るということで、この数字が平均です。
例えば、空室が3部屋あり満室にしようとするには、3÷37%=8.11となり、8~9件の内見が必要になるということが言えます。
実際に、みなさんの物件の成約率はいかがでしょうか。
仮に、10件の内見があったとして、成約件数が1件しかなかったとすれば、成約率は1÷10=10%となり、平均よりも成約率が悪いことが分かります。
逆に、5件の内見で成約件数が2件あったとすれば、2÷5件=40%となり、平均の成約率よりも優れているといえます。
ご自身の物件の成約率を知ることで、繁忙期に向けた空室の対策が立てやすくなります。
では、今回はこの辺にしておきまして、続きは次回ブログで。(次回は1/23です)
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