アスベスト調査の対象範囲は?調査報告は誰がする?
令和4年4月1日より、一定以上の規模または請負金額の解体・改修工事における石綿含有の有無の事前調査結果を報告することが義務化されることを、以前のブログでお伝えしました。
一方、アパート・マンションの管理においては、原状回復など、ケースによって対象となる工事もあります。今回は、新たに確認した内容につき、Q&A形式でご紹介します。
アスベスト調査の対象範囲
Q.原状回復工事における、「クロスの張り替え」や「クロスの剥がれの修理」は報告の対象となりますか?
A.対象となります。
Q.「天井や壁の研磨」は報告の対象となりますか?
A.対象となります。
Q.「天井や壁の水拭き・空拭き」や「ホウキやモップでのホコリ清掃」は報告の対象となりますか?
A.対象となりません。上記の研磨と、拭き行為の境界は石綿を飛散させる可能性があるか否かです。
Q.報告の対象外規定などはありますか?
A.除外規定は以下の場合です。
①除去等を行う材料が、木材、金属、石、ガラス等のみで構成されている場合
②畳、電球等の石綿等が含まれていないことが明らかなものであって、手作業や電動ドライバー等の電動工具により容易に取り外すことが可能な場合
③ボルト、ナット等の固定具を取り外すことで除去又は取り外しが可能である等、当該材料の除去等を行う時に周囲の材料を損傷させるおそれのない作業の場合
調査報告の義務者
Q.「物件所有者」が発注者、「管理業者」が元請業者であり、賃貸借契約の賃借人(転貸人)が「サブリース業者」である場合、報告義務が課されるのは誰でしょうか。
A.事前調査及び報告の義務が課される事業者は、請負契約上の工事元請業者で判断されます。上記の場合、「管理業者」が報告義務者となります。
Q.「建築物石綿含有建材調査者」は、どの者が取得義務を負いますか。
A.こちらも、請負契約上の「工事元請業者」が負います。
Q.調査費用がかかります。発注者である物件所有者に、費用負担してもらうことは構いませんか?
A.懸念ありません。
調査報告の義務者は、管理受託契約の形態や転貸借契約の形態に関わらず、工事の元請業者です。
軽微な工事のみを行っていて、建設業の免許が無くても、対象となる工事を請け負っている場合、管理会社も対象となります。
一定規模や金額以上の工事の場合は調査報告が義務となりますので、オーナー様の所有するマンション・アパートの工事も報告が必要になるでしょう。
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