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2020年01月12日
賃貸経営まめ知識

空室対策 その⑤ 「貸し方」の工夫

 昔のことですが「携帯電話をゼロ円」で売り出した会社がありました。4万円以上で手が出せなかった携帯電話が「無料」ですから、あっと言う間に普及しました。その会社は損をしたわけではなく「通話料」によって元が取ることができるのです。当時では珍しい
販売方法でしたから話題にもなりました。覚えていらっしゃるオーナーさんもいらっしゃるでしょう。これが「売り方」です。

 「損して得とれ」ではありませんが長い間に「収益」が確保できればいいのです。

フリーレントという方法

 賃貸物件でも「フリーレント」という「貸し方」があります。最初の1ヶ月か2ヶ月の家賃を「無料」にするのです。これによって、ライバルも含めたいくつかの物件で迷っているお客様に「決める理由」を与えます。2ヶ月のフリーレントを実施したお客様が4年間住んでいただけるとしたら、48ヶ月で46ヶ月分の家賃をいただいたことになりますね。計算すると「約4%の値引き」したのと同じであることが分かります。5万円の家賃なら2千円ですね。2千円の値下げより「2ヶ月の無料」の方がお客様にとってはインパクトが強いのです。それに募集家賃を下げると、現在の入居者さんにも伝わりますので全体の家賃に影響します。

 これがひとつの「貸し方」です。ただし“フリーレント”と言う言葉は一般的に馴染みが少なく、パッと「得する」というイメージに結びにくいところがあります。そこで2ヶ月(1ヶ月でもよし)は「100円で貸します」のような「貸し方」もあります。100円の方が「無料」より負担が多いですが「100円」という数字が注目を集めるのです。

 通常は5 万円の部屋を借りるのに「いくら」のお金が必要になるでしょうか。礼金と敷金は「ゼロ」としても、前家賃と火災保険料と連帯保証料だけでも10万円くらい必要になります。その費用を「ゼロ円」で入居できます、という「貸し方」もあります。ホテルのように、最初はお金を払わなくても入居できる、という条件にしているのです。

 その10万円は誰が負担するのか?それはオーナーさんです。つまり、2ヶ月を無料とするのと同じなのです。このように家賃の4%程度の入居者サービスでも、色々な使い方が考えられるのです。値下げするか、フリーレントにするか、100円で貸すか、ゼロ円で入居させるか、どちらにしてもオーナーのご負担は「家賃の2ヶ月分」になっています。「こんなサービスまで入居者にしなければならないのか」と思うかもしれませんが、それはまだ「入居者さんはお客様」という認識になっていない証拠ではないでしょうか。

 いまは、あらゆる商品が、様々な方法でお客様サービスを競っています。大切なのは「収益」ですから、いかに最終的な収益に結び付くかで判断をすべきではないでしょうか。

一番大事なのは「収益」です。

 さて、空室対策の処方箋をいくつか書かせていただきましたが、これらを「すべて」実行しなければならない、ということではありません。「物件の価値と家賃のバランスを整える」だけで部屋が決まることもあるでしょう。

 さらに、インターネットに多くの「質の高い写真」を掲載したら決まることもあるでしょう。それでもライバルが多くて「圧倒的な」差がつかないなら、家賃の2ヶ月程度のサービスを検討すべきなのです。

 何度も書きますが、一番大事なのは賃貸経営による「収益」です。そのことを、オーナーさんと共に真剣に考えてくれるパートナーを見つけてください。

この記事を書いた人
東原 相信 トウハラ ソウシン
東原 相信
不動産を持ち続けていればどんどん価値が上がるという「不動産神話」はすでに過去のものとなり、空室の増加や賃料の下落などに悩むオーナーの声をよく耳にします。つまり、賃貸経営は事業者(オーナー)の「経営力」の差が空室率に直結する時代が訪れました。私は、CPMとしての知識と経験で全力でオーナーの賃貸経営のサポートをいたします。
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