検査済証が無い!
先月のブログで、不動産の調査の際、登記簿上の面積では容積率がオーバーしているように見えても、建築基準法上の床面積で計算して適法であった事例を紹介させて頂きました。
https://chukyo-h.jp/contents/4031
この話には続きがあり、この物件は実は確認済証を紛失してしまっていたのです。
確認済証・検査済証とは
家を建てるには、まず設計する必要がありますが、建築基準法上に沿った適法な家を設計する必要があります。そして、その設計が法令上問題ないかどうか、設計図面を役所に申請しますが、このことを建築確認申請といい、提出書類は、建築確認申請書と呼ばれます。
その後、その家が建築基準法などの法令に適合しているかどうかチェックするため、「建築確認」と「完了検査」という2つの審査をクリアしなければなりません。この「建築確認」をクリアした証明として出されるのが確認済証です。
確認済証は、建築確認申請後、通常は3週間ほどで交付されます。建築確認が下りて、確認済証が交付されない限り、工事の着工ができないことになっています。
そして、その確認申請書の図面を元に建物が建てられ、建築主は建物が完成したら4日以内に工事完了届を提出しなければなりません。そして、実物が建築確認をクリアした図面と全く同じかどうかのチェックを受けます。このことを完了検査といい、完了検査をクリアした証明書として出されるのが検査済証です。
つまり、確認済証は、新築時に法令に適合設計図書であることを証明しており、検査済証は、確認済証を受けた確認申請書のとおり工事が完了したことを証明します。
紛失した場合
建築確認申請書は申請を依頼した建築業者などに確認してみると、保管されているかもしれないので、存在すれば再発行を依頼できます。
しかし、確認済証や検査済証は再発行されません。紛失してしまうと、建築確認申請や完了検査をしたのか、確認が困難となります。そこで多くの市町村ではそれぞれ保管している建築確認台帳の記載事項証明書を交付することが可能となっています。
名古屋市では、平成8年4月1日以降に建築確認申請され、(または平成11年5月1日以降に指定確認検査機関に建築確認を申請され、)確認済証が交付された建築物について、原則として建築確認申請の当時の建築主の方に対して、建築確認台帳記載事項証明(台帳証明)を行います。
この台帳証明を行うには、建築確認の確認済証番号を特定する必要があり、番号がわからない方には、確認申請された建築物の建築計画概要書、処分等の概要書を閲覧することができます。なお、建築計画概要書には、建築物の階数、高さ、建築面積、延べ面積、配置図等が記載されています。
今回の件では、この台帳記載事項証明書が、紛失した確認済証の代わりになる証明書として、無事に違法建築ではないと証明できたのです。
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