復旧費用の負担はどっち?
3月に入って徐々に暖かくなってきて嬉しい反面、ヤク(??)が手放せない季節にもなってきたのがツライ、分譲担当の田中です。(安心してください、アで始まる市販の紫パッケージで例のものですよ)(*´з`)
本日は建物で何か壊れたり傷ついたりしたときの復旧費用はどういう場合に誰が負担するのか?について、自分が担当している物件環境に似た状況で面白い判例を目にしたのでご紹介致します。
事案の概要
該当マンションは店舗付き共同住宅で、地下1階駐車場部分(1階店舗所有者の専有部分となっている)にある消火設備が消防点検で不備指摘を受け修繕を求められました。
そこで管理組合は地下1階駐車場の区分所有者を被告として消火設備の修繕につき、被告の責任と負担において行う義務があることの確認を裁判所へ訴えました。
争点
被告(駐車場の区分所有者)が地下1階駐車場の付属設備である消火設備の修繕をする法的義務を負うかが争われました。
消防法では防火対象物につき「関係者」に消防設備等の設置・維持の責任を負わせていますので、「関係者」が当該設備の修繕をする法的義務を負う者と解されることより、マンションにおける「関係者」が誰であるかが問題となりました。
各側の主張
【原告】
・本設備はハロゲン化物によりガソリンを搭載した駐車車両等の発火に備えて地下駐車場に設置されたものであり、地下駐車場部分以外で利用される余地はない
・本設備の主要機器が地下駐車場内に設置されていることから、被告の専有部分である地下駐車場部分に属する建物の附属物であり、被告がこの所有者となるから消防法所定の「関係者」として管理義務を負う
・仮に本設備の一部または全部が共用部分とされた場合でも、地下駐車場には専用使用権の設定を受けており管理規約により消防法所定の「関係者」と定めたものと言える
【被告】
・マンション建設時に共用部分として設計且つ施工され、以後総会においても共用部分であることを前提として長期修繕計画等について議論されてきた
・管理組合において選任された防火管理者が、本設備を含むマンション消火設備の管理に当たってきた
・本設備を構成する消火剤貯蔵容器、起動用ガス容器、選択弁、制御盤等が共用部分であるポンプ室に所在すること
裁判所の判決
(1)「関係者」の観点から
原告(管理組合)は区分所有者全員から構成される団体で、原告の単一の管理権原に服するものとすると、マンション全体が一体として消防法所定の防火対象物であると解される。
専有部分は各区分所有者が個別に所有するのに対し、共用部分は区分所有権の対象にはならないなど、所有者と管理者及び占有者が同一の者ではないような場合、誰が「関係者」となるかは内部的な法律関係によって定まるものと解される。
防火管理者を置き防火管理業務を専ら単一の管理権原者すなわち「管理者」である原告ぬい担わせている。他方、区分所有者や占有者など原告以外の主体に上記業務を担わせているものと解し得る根拠は見当たらない。
(2)「共用部分・専有部分」の観点から
建物の附属物が共用部分となるか専有部分となるかは、当該附属物が有している本来の機能によって決まるものと言え、必ずしも附属物の所在場所が専有部分であるか共用部分であるかによって決まるものでは無いと解される。
当該設備は地下駐車場部分に発生する火災の鎮火のみにとどまらず、同鎮火を通じてマンション全体並びに居住者の身体、生命、財産を火災の被害から守る機能を有するものと言える。
以上のことから「被告が本件管理義務を負う者と認めることはできない」として、原告(管理組合)の請求を棄却しました。
まとめ
問題になる維持管理費用の負担区分事案はマンションには他にも多々あります。
・共用部分の専用使用部分
・共用部分と構造上一体となった専有部分 など…
まずは管理規約に則った対応が原則となりますので規約の把握が一番大切ですが、区分所有者が工事を先行実施している場合などは実費負担した人と管理組合主導で工事を行った人とで不平等になりますので、先行実施者への補償等についても十分留意しながら判断にも気を付けて今後に備えていきたいと思います。
関連した記事を読む
- 2025/03/31
- 2025/03/28
- 2025/03/25
- 2025/03/20