賃貸物件を売却する適切なタイミングとは?①
賃貸経営における出口戦略とは、物件を売却するタイミングや計画を指します。この出口戦略が一般的に賃貸経営を始めるより難しいと言われています。
賃貸オーナー様の間で「出口戦略は難しい」といわれる理由は、賃貸経営には家賃収入(インカムゲイン)と売却益(キャピタルゲイン)という2種類の収入があり、両者のバランスを見ながら売却するタイミングを計る必要があるためです。
例えば、十分な家賃収入を得ていても、売却損を計上した結果、トータルでマイナスになることもあります。逆に、月々の収支が赤字でも、十分な売却益を得た結果、トータルでプラスになることもあります。
今回のブログでは、賃貸物件の具体的な売却タイミングについて、6つの例をご紹介します。
売却タイミング①利益を確定したいとき
賃貸オーナー様にとって理想的な売却タイミングは、家賃収入と売却益を合わせて考え、「目標としていた利益を得られるとき」です。
注意点としては、利益から税金や仲介手数料が差し引かれるため、これらを勘案しても「利益が残るのか」をシミュレーションした上で売却を判断するべきです。
物件の売却時にかかる税金には、譲渡所得税、登録免許税、印紙税などがあります。
譲渡所得税は、譲渡所得(売却価格から物件取得費と譲渡費用を差し引いた所得)に対してかかり、以下のように物件の所有期間によって税率が異なります。
・所有期間5年以内(短期譲渡所得):所得税30%+住民税9%
・所有期間5年超(長期譲渡所得):所得税15%+住民税5%
※これらに加えて、復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)の納付も必要
また、登録免許税とは、不動産を登記する際に負担する税金です。一般的に「抵当権抹消登記」は売主が負担するケースが多いです。
1物件あたり1000円の負担が発生します。
印紙税は契約の種類や金額によって異なります。例えば、不動産取引で5000万円を超え・1億円以下の場合、印紙税は6万円です。
売却タイミング②損切り(損失の確定)をしたいとき
賃貸物件の売却は、利益を確定する目的だけでなく、損切り(損失の確定)をする目的で行うこともあります。
例えば、収支がずっと赤字の賃貸物件を所有している場合、そのまま所有していると手元資金が流出していく一方です。
しかし、物件の売却を決断することで、キャッシュアウトを止めることが可能となります。
株式投資やFXなど他の投資も同様ですが、損切りは個人投資家の資産を守るために重要な行為です。
本来想定していた収益が得られない場合は、誤った判断だったことを認めて撤退する勇気も必要です。
その他4つのタイミングについては、次回のブログ(10/12)でご説明させて頂きます。
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