2024年からスタート「省エネ性能表示制度」とは?②
表示を行わないと勧告・公表・命令の可能性もある
前回に引き続き、「省エネ性能表示制度」のポイントをしっかり押さえましょう。
では、この制度における努力義務とは、具体的にどのような意味なのでしょうか。
一般的に、努力義務とは「〜するよう努めなければならない」と表現されるようなルールであり、拘束力はそれほど強くありません。
しかし、国土交通省の公式サイトには、以下のような解説も見られます。
国土交通大臣は、販売・賃貸事業者が告示に従って表示していないと認めるときは、勧告・公表・命令をすることができます。
この文面を見る限り、「省エネ性能表示制度」における努力義務は、一般的なニュアンスよりも強制力があるように感じられます。
さらに、国土交通省では、勧告・公表・命令などの措置について、「制度の施行後当面は、(中略)社会的な影響が大きい場合を対象に運用する」と述べており、将来的に強制力が強まることも考えられます。
省エネ性能を示す方法は「ラベル」と「評価書」の2通りがある
先述の通り、省エネ性能を表示する方法には、「省エネ性能ラベル」と「エネルギー消費性能の評価書」の2種類があります。それぞれの内容を確認してみましょう。
まず、省エネ性能ラベルは、ポータルサイトやチラシなどの広告で使用するラベル画像です。
一方、エネルギー消費性能の評価書は、建築物の概要と省エネ性能評価をまとめた書面です。
さらに、省エネ性能ラベルの詳細を見ていきましょう。ラベルの構成要素は以下の通りです。
①エネルギー消費性能
②断熱性能
③目安光熱費
このうち①は、国が定める省エネ基準から「消費エネルギーをどれくらい削減できているか」を示す指標で、星の数で表されます。
また、②は、「熱の逃げにくさ」と「日射熱の入りやすさ」の観点から断熱性能を示す指標で、数字で表されます。
③は、電気やガスなどの年間消費量に燃料などの単価を掛け合わせて算出した、1年間の光熱費の目安です。
省エネ性能ラベルにはこの他、評価の方法(自己評価または第三者評価)、再生可能エネルギー設備の有無、ZEH(ゼッチ)水準に該当するかどうかなどが表記されます。
アパートやマンションなどを含む住宅系の省エネ性能ラベルには、「住戸用」と「住棟用」がありますが、集合住宅の場合、どちらかを表示していれば制度上の問題はありません。
※下記画像の出所:国土交通省
それでは今回はここまでにして、続きは次回ブログで。(次回 9/26)
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