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2020年01月07日
賃貸経営まめ知識

空室対策 その① 家賃の値下げ?

 どんな不動産でも価格を下げれば「売れないものはない」と言います。賃貸物件も同じで、家賃を下げれば「貸せないものはない」でしょう。だから、部屋を決めたければ家賃を下げれば解決します。

 でも、ホントにそれでいいのでしょうか?

まずは「家賃を下げる」こと?

 もし、築20 年のアパートがあって、あと5 年で取り壊し予定なら、リフォーム工事をするのは「勿体ない」です。「5 年以上は住めなくてもよい」という条件に納得してくれる借主さんを探すためには、「家賃を下げる」のが一番「いい方法」かもしれません。


 あるいはオーナーさんの近隣には、同じ間取タイプの物件で、新築やリフォームにお金をかけた物件が「ひしめいて」いるとします。かたや、同じ間取タイプなら「なるべく安い家賃で住みたい」というお客様が多くいたとします。このような事情なら、リフォー
ムは行わずに、オーナーさんの物件の相場に合ったところまで「家賃を下げる」のが一番「いい方法」かもしれません。


 また、オーナーさんの所有する間取タイプの相場が「あきらかに」下がっていて、今の値付けが「高すぎる」のでしたら、「家賃を下げる」という選択が必要不可欠な場合もあります。


 このように空室対策の処方箋の中で、「家賃を下げた方がいい」というケースは確かにあります。オーナーさんのご事情や近隣の状況を考えて、「仕方ないけど家賃を下げましょう」と提案してくれる賃貸管理会社がいたら、それはそれで「頼もしい」と思います。
でも、考えてみてください。


 空室を解消するために「とにかく家賃を下げる」のがよい方法でしょうか?


 家賃を下げることによる「オーナーのマイナス面」を考えてみましょう。

 

資産価値が下がります

 ご存知のように賃貸物件という不動産の価値は、その賃料総収入で決まります。「土地がいくらで建物がいくら」という計算ではありませんね。「いくら稼いでいるか」で決まります。つまり収益還元法です。

 たとえば、年間1000 万円の収入のある賃貸物件は、近隣の適正な利回り(キャップレート等といいます)が10%なら、その価値は1億円です。(1000 万円÷ 10 %= 1 億円)

もし家賃が下がって年間収入が900万円なら、その価値は9000 万円に下がってしまいます。(900 万円÷ 10 %= 9000 万円)1000 万円も価値が減ったことになります。

マイナス面のトラブルが増えます

 家賃を下げ続けていると、「家賃払いの悪い」借主さんや「苦情やトラブルの多い」店子(たなこ)さんが増える傾向にあります。もちろん「一概に」言えることではありませんが、経験的にそのような結果が多いです。そして「なにより」のマイナス面は、値下げが他の借主さんへも波及してしまうことです。


 今はインターネットで募集するので「家賃を下げた」新しい条件を、他の借主さんたちに秘密にすることは出来ませんね。同じ部屋タイプの家賃が下がったことを知れば「うちも下げて欲しい」と要望するでしょう。言うか言わないかは別にして、誰でも「そのように」思うはずです。オーナーさんが突っぱねれば、いずれは退去に結びつきます。収入減が「ひと部屋」だけでは済まなくなるかもしれません。


 オーナーの考えや近隣相場の値下がりによって、「戦略的に」家賃を下げることが必要な場合はあります。一概に悪い方法とはいえません。しかし、「何でもかんでも家賃を下げる」のは良い方法とは言えません。空室は何のために埋めるのか、いうと、「空室をなくすため」ではなく「賃貸経営の収益を増やすため」です。そして「賃貸物件の資産価値を高めるため」です。その目的のために「家賃を下げるのが最良の選択」なら、自信を持って「そのように」すればいいのです。提案する賃貸管理会社さんにも、その説明を求めてみてください。でも、「家賃の値下げ」以外にも目的に沿った方法がないか検討すべきです。多くの場合は「ほかにも」あるはずです。


 それでは、家賃を下げないで空室を解消するには、どのような方法があるのでしょうか。その答えは、ひとつやふたつではありません。それはまたの機会に説明をして参ります。

この記事を書いた人
東原 相信 トウハラ ソウシン
東原 相信
不動産を持ち続けていればどんどん価値が上がるという「不動産神話」はすでに過去のものとなり、空室の増加や賃料の下落などに悩むオーナーの声をよく耳にします。つまり、賃貸経営は事業者(オーナー)の「経営力」の差が空室率に直結する時代が訪れました。私は、CPMとしての知識と経験で全力でオーナーの賃貸経営のサポートをいたします。
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