賃貸経営の出口戦略 売却価格の正しい考え方とは②
先週(7/12)のブログの続きです。
賃貸物件の売り出しにおいて欠かせないのは、「高い価格ではなく、適正な価格を設定すること」です。
もちろん、私たちはオーナー様の物件が少しでも高く売れるよう、全力でサポートしていきたいと考えています。
しかし、賃貸物件の買主は、不動産の知識を持っていたり、ご自身で相場をリサーチしたりといったスキルのある方々が大半です。
そのため、相場よりも高い売り出し価格を設定してしまうと、売れ残ってしまう可能性が高くなります。
もちろん、売却期間が通常よりもかかっても構わないので「売り出し価格を意図的に高めに設定したい」という場合もあるでしょう。
弊社ではこういったご要望にも対応できますが、通常はスムーズな売却を実現するために、適正な売り出し価格の設定をおすすめします。
賃貸物件の価値を算定する3つの方法
次に考えたいのは、「賃貸物件の適正価格とは具体的に何か」ということです。実際には、「これが正解」という査定価格、相場価格、売り出し価格はありません。
一般的には案件ごとに、以下の方法で価格を算定することが多いです。
①過去の取引データを参考に算定
②土地や建物の資産価値を基に算定
③将来、見込まれる収益性を基に算定
住居用の物件の場合、①の相場や②の資産価値を重視します。
一方、賃貸物件の場合、これに加えて③の収益性を考慮して価格を検討するのが一般的です。③の収益性を基にして物件価格を算定する方法は「収益還元法」と呼ばれます。
これには、「直接還元法」と「DCF法」の2つの方法がありますが、一般的に広く用いられているのは直接還元法です。
その計算式は以下の通りです。
不動産価格=年間の純収益÷還元利回り
①~③のうち、どれを重視して査定価格を算定するかは不動産会社によって異なりますが、いずれにしても、正確なデータや算定方法に基づいているならば広義の適正価格と言えるのではないでしょうか。
オーナー様ご自身で相場を手軽に調べる方法
前述の通り、適正価格には正解がありません。
そのため、オーナー様ご自身が、売り出し価格に問題がないかをチェックする手段を持っていると安心です。
賃貸物件の相場を手軽に調べる方法として、以下の3つが挙げられます。
①不動産投資サイトで調べる
賃貸物件の相場を調べたい場合は、一般の総合不動産サイトではなく、不動産投資サイトを利用するのがよいでしょう。
所有物件に近い条件(沿線や駅、物件タイプ、利回りなど)をサイト上で設定すると、類似物件の販売価格(売り出し価格)を確認できます。
ただし、サイト上に表記されている販売価格は、実際の成約価格ではなく希望価格である点に注意しましょう。
②レインズ・マーケット・インフォメーション
賃貸物件の収益性ではなく、資産価値に基づいた相場を知りたい場合は、レインズ・マーケット・インフォメーションを利用する方法があります。
レインズは不動産会社(仲介会社)だけが利用可能なシステムですが、一般の方向けにカスタマイズされたWEBサイトがレインズ・マーケット・インフォメーションです。
このサイトでは、マンションと戸建ての成約事例を検索・閲覧できる仕組みになっています。ただし、土地やアパートの情報は閲覧できません。
③不動産情報ライブラリ
②と同様に、資産価値に基づいた相場を知りたい場合は、国土交通省が運営するWEBサイトの不動産情報ライブラリ(旧 土地総合情報システム)を閲覧する方法もあります。
住所や路線、駅名などで土地や中古マンションなどの取引価格を検索・閲覧できます。
新たな不動産査定の選択肢
最近では、AI(人工知能)による不動産査定が注目されています。
システム会社や不動産会社などから数多くのサービスが提供されており、賃貸物件用のAI査定サービスも存在します。
一括査定と比べたときのAI査定のメリットは、すぐに相場を把握できることです。ただし、AI査定は、一定の人口のいるエリア向きのサービスと考えられます。
その理由は、AIはデータ量が多いほど精度が高くなりますが、取引量の限られた地方の小都市などになると相対的に精度が低くなる場合もあるからです。
以上のように、売却価格の設定方法について記載させていただきましたが、自分の不動産の価格が気になる方は、お気軽に中京ハウジング(株)にお問い合わせ下さい。
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