賃貸経営で本当に成功できたかは出口戦略で決まる②
賃貸物件の売却価格を決める要素についてお話します。
出口戦略を具体的に考える際には、売却価格を構成する要素を把握することが重要です。
売却価格に影響を与える要素は、「収益性」と「資産価値」です。
「収益性」とは、その物件を購入した場合、将来的にどれだけ利益を得ることができるかを指します。収益性で有利なのは、家賃と稼働率が高い物件です。
一方、「資産価値」は、物件の評価額を指します。
ここまでお話ししてきたように、売却価格に影響を与える要素は、「収益性」と「資産価値」ですが、さらに以下の要素も売却価格に影響を与えます。
・類似物件の過去の売却価格
・直近の稼働状況
・リフォーム状況
・買い手の融資の組みやすさ など
売却タイミングを判断する上で重要な指標とは?
「減価償却期間が終了したため物件を売却したい」とお考えになるオーナー様も多くいらっしゃいます。
これは耐用年数を過ぎると、減価償却費を経費として計上できなくなり、キャッシュフローが減少し、デッドクロスに陥りやすくなるからです。
ただし、売却タイミングを判断する指標には、減価償却期間の他に下記に挙げるような要素があります。
・物件の所有期間
物件の所有期間が一定の期間を超えると、所得税と住民税が安くなります。このタイミングで売却を検討することもあります。
所有期間が5年以下の場合、所得税と住民税の合計は約39%ですが、所有期間が5年を超えると約20%になります(復興特別所得税を除く)。
・稼働率
稼働率を指標にする考え方はケースバイケースですが、例えば空室が目立ってきた場合、売却して稼働率が高い物件に買い換える選択が考えられます。逆に、経営努力によって稼働率が高くなったため、買い手がつきやすいという理由で売却を検討することもあります。
・不動産市場の動向
不動産市場の動向を指標にする場合、相場が高騰しているタイミングで売り抜けることが考えられます。
・大規模リフォーム
大規模リフォームを行う前に売却することも重要な判断基準です。これにより、手元資金の流出を防ぐことができます。
賃貸物件の出口戦略を実行する際の注意点
・稼働率が低いままで売却しない
出口戦略で「賃貸物件として売却」する場合、区分物件はオーナーチェンジ物件として売却、また、一棟物件ではなるべく空室を減らして売却するのが理想です。稼働率が低いままで売却すると、買い叩かれる可能性があります。
・不要なリフォームをしない
一般的に建物が築古の場合、そのまま市場に出すより、リフォームをした方が高値で売れやすくなります。ただし、多額なリフォーム費用をかけても、買い手が見つからないこともあります。そのため、売却前にリフォームをするべきかは不動産会社の意見を参考にするのがおすすめです。
・急いで売却しない
物件の査定から売買契約の締結までには通常、6カ月〜1年程度の期間を要します。もし「短期間で処分したい」というご要望がある場合、買い手が見つからないと売却価格を大幅に下げるしかありません。その結果、出口戦略で失敗しやすくなるため、十分な売却期間を設定するのが賢明です。
今回は、出口戦略の基本について解説してきました。今後は、出口戦略の知識をさらに詳しく掘り下げていく予定です。
また、当社では無料で「売買金額査定」等、不動産売買などさまざまなオーナー様へのお手伝いをいたします。是非一度当社にお問合せください。
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