賃貸住宅の構造のメリット・デメリットを理解する③
前2回に引き続き、オーナーとして最低限知っておいて欲しい各構造のメリット、デメリットについて「賃貸住宅の構造のメリット・デメリットを理解する」と題し紹介します。
法定耐用年数の違いがどのように影響するのか
所得税や法人税を支払う際に、経費として計上できる減価償却費は、実際には支出することなく経費にできるものであり、減価償却費が多ければ多いほど、経費が増え、支払う税金は少なくなります。
その結果、税引き後のキャッシュフローを多く残すことができます。
その減価償却費を算出するうえで、影響をあたえるのがその建物の法定耐用年数です。
法定耐用年数は、構造や用途で細かく年数が決まっています。
法定耐用年数が短ければ短い程、その年に経費にできる減価償却費が増えていきます。
賃貸住宅の構造別の償却年数が以下の通りです。
・木造:22年
・軽量鉄骨造:27年
・重量鉄骨造:34年
・鉄筋コンクリート造:47年
例えば、取得費が1億円の建物の減価償却費として、木造の場合は、年間約455万円経費として落とせるのに対し、鉄筋コンクリート造では約213万円しか経費として落とせないということになります。
つまり、鉄筋コンクリート造の場合、木造に比べ、242万円も経費で落とせる額が少なくなります。
税率が30%だと仮定すると、60万円以上、多くの税金を支払う計算になります。
経営する土地の特性を考えて構造を選択することが重要
全3回に分けて紹介しましたが、集合住宅をどの構造で建てるかによって、建てた後の経費が大きく違うことが分かったと思います。
建物の品質面では、非常に優れている鉄骨造や鉄筋コンクリート造ですが、イニシャルコストやランニングコストは高めになります。
一方で、木造は、遮音性を高めたり、高層化することが難しいですが、ランニングコストを抑えて経営することが出来ます。
賃貸経営の最大の目標は、入居者に長く住んでもらい、収益を上げていくことです。
賃貸経営を成功に導くためにもオーナーは、エリア内の構造別の賃料相場を把握し、また、エリア内の特徴(どのような賃貸需要があるか、どのような設備の需要が多いかなど)をしっかりと調査した上で、どの構造で建設するのがベストかを検証していく必要があります。
当社では空室対策などさまざまなオーナー様へのお手伝いいたしますので是非一度当社にお問合せください。
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