マンションの空き住戸問題 ★対応編★
先日最終回を迎えたドラマをオンタイムで見れず録画を見るのを楽しみにしていたのに、翌朝ヤフーニュースでネタバレ記事が目に入り、たった数時間でネット社会に楽しみを奪われ、ハイテクソリューションの歪み(?)を垣間見た分譲担当「T」です(;´Д`)
さて、今回は前回からの続きで「空き住戸への対応」についてです。
とは言っても、住戸となる各専有部は区分所有者個人に関わる事なので、管理組合側でできる事は少ないですが、実際に起こり得る問題に対する知識として検討対策案をご紹介致します。
『管理上問題への対策案』
(1)緊急時の対応
・空き住戸になる場合には、その旨と緊急時連絡先を届け出てもらうようにする制度を明確にしておく
(2)長期的空き住戸への対応
・住戸に立ち入る点検や工事等への立ち会い、室内の換気や通水、ベランダ鳥の巣や専用庭雑草繁茂やポスト整理の巡回などを定期的に行ってもらう。またはその様な空き家管理サービスを提供している民間会社を予め選定しておいてもらう。
(3)管理組合運営面への対応
・役員資格に居住要件を付している場合、空き住戸の所有者でも役員になれるよう居住要件を廃止する事が考えられます。Web会議等による理事会へのリモート参加を可能とする整備も必要となります。
・区分所有者の所在が不明で連絡先が分からないことにより組合運営に支障が生じている場合には、管理組合としては登記事項証明書の入手などにより所在を確認する必要があります。
・区分所有者である高齢者が自宅マンションから施設へ移って空き住戸になった場合、本人の判断能力が不十分で管理・処分ができずそのまま放置されることも想定されます。その際には本人の代理あるいは補佐・補助を行う後見人・保佐人・補助人を選任することにより、本人が行うべき行為を保護する事ができます。
(4)滞納管理費等への対応
・区分所有者の所在が明らかな場合は、空き住戸であっても通常の滞納者と変わらない対応を取る事になります。一般的には支払督促→少額訴訟→通常訴訟という段階を踏み、または先取特権に基づく競売申し立ても可能です。
・区分所有者の所在が不明な場合は、初期段階の対応(支払督促・少額訴訟)は出来ませんが、必要な手続きを経る事により通常訴訟や先取特権に基づく競売申し立てをする事は可能です。ただし、滞納している区分所有者の住所が通常の方法を講じても判明しなかった「調査報告書」を作成して証明し、その調査報告書を付けて公示送達申出をする事になります。
・区分所有者が死亡している場合、相続人が包括承継人として前区分所有者の権利と義務を引き継ぐので、新たな区分所有者に滞納管理費等を請求する事になります。
管理上の問題としては大きく分けると上記の4つ程考えられますが、管理組合運営に一番影響があるのは資金に関わる滞納問題になります。
区分所有者の所在が分かっていたり、相続人がいる場合は請求ができるのでまだ何とかなりますが、行方不明や相続放棄など請求先が無い場合にはまた一段と手間がかかります。
次回は、請求先不明滞納者への対応について考えて見よ―かと思います。
関連した記事を読む
- 2024/11/25
- 2024/11/20
- 2024/11/15
- 2024/11/11