不動産小口化商品
個人向け収益不動産の融資基準が厳格化される中、近年、不動産小口化商品が充実してきています。その市場規模は3兆円とも言います。1口数万円から始められる新たな不動産投資について、少しご紹介します。
不動産小口化商品とは
不動産小口化商品とは、特定の不動産に対する投資を複数の口数単位で購入できるようにしたものです。例えば、数十億単位の高額な都心のオフィスビルなど、単独で購入することが難しい好立地物件を1口100万円~1,000万円程度に細分化し、小口化商品として投資家に販売し、当該物件から得られた賃貸収入や収益を複数の出資者へ分配する商品です。
管理・運営は不動産特定共同事業者(許可を受けて不動産特定共同事業を行う者)が行うため、手軽に投資対象となる高額不動産を共有所有できることになります。
不動産小口化商品のメリット
不動産小口化商品の一番初めに挙げられる魅力は、まず何より不動産からの安定した収益を基盤にした、3~8%程度の利回りでしょう。
また、分散投資が可能な事も大きな魅力です。
不動産小口化商品は分散投資がしやすく、ひとつの不動産にすべての資金を投資するのではなく複数の物件に分けて小口投資することが可能です。例えば5,000万円の資金で不動産投資をする場合、5,000万円の不動産物件をひとつ購入するよりも、立地や物件種類を分散しながら500万円ずつ10の物件に投資する方が、リスク分散につながるでしょう。
任意組合型の不動産小口化商品であれば、相続税の節税メリットもあります。
現金や有価証券を相続すると、その金額がまるまる相続税の対象となります。一方、同じ現金で購入した不動産を相続した場合、その土地は路線価を、建物は固定資産税評価額を用いた評価方法による「相続税評価額」が相続税の対象となります。
REITと違い、任意組合型の不動産小口化商品では、相続において、現物不動産と同じく「路線価」と「固定資産税評価額」をもとに相続税評価額を計算するため、このように相続対策として活用することができるのです。
不動産小口化商品のデメリット
不動産小口化商品は投資商品なので、当然に元本は保証されません。不動産の管理を事業会社に任せられる反面、空室の発生や不動産価格の下落により期待していた利回りが得られない可能性もあります。事業会社が経営破綻した場合、投資した資金が戻らない可能性もあります。
また、売りたい時に売れない流動性の問題もあります。というのも、不動産小口化商品は一般的な不動産に比べると物件数や投資家の数も少ないのが現状です。また、途中解約を受け付けていない場合もあります。
不動産小口化商品は非常に魅力的な商品ですが、良い面ばかりでなく、リスクも理解した上で購入することが重要でしょう。
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