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2020年01月22日
賃貸経営まめ知識

建物の一生を計画的に考えよう

 平成30 年の簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男性が81.25 歳、女性は87.32歳だそうです。人生85年として、人間の一生を年齢によって3つに分けると、こんな感じでしょうか。

人間の一生は、こんな感じでしょうか。

 ひとつめは、「誕生~25歳までの時代」です。一口に言えば成長の時代です。可能性がみなぎっていますね。

 ふたつめは、「26歳~55歳までの時代」です。この期間に、生涯収入の大部分を稼ぐでしょう。社会からの評価や信頼も一番高いときかもしれません。

 みっつめは、「56歳~85歳すぎの時代」です。普通なら体力も気力も衰えていきます。でも、若い頃からの準備や「考え方」次第で、一番充実した時代にもできます。

 さて、どの「時代」が一番いいか、を問うのは愚問です。これは「比べるもの」ではないし、人によって価値観も異なりますし、どの時代にも充実感が必ずあります。

賃貸物件はどうでしょう。

 ひとつめは、「新築~築10年までの時代」です。賃貸物件は築年数が新しいだけで人気があります。この10年間は修繕費用はほとんどかかりません。後半には空室などの問題も出始めますが、あとの世代と比較したら問題にならない程度です。人間なら、一番
いい人生が最初にやってくることになります。バラ色の時代と言ってもいいでしょう。

 ふたつめは、「築11 年~ 2 0 年までの時代」です。そろそろ空室が目立ち始め、メンテナンス費用が一気に必要になります。特に後半の5 年は厳しさを増します。「こんなはずではなかった」と思う時かもしれません。でも、次の「時代」と比べたら「まだ
まだマシ」なことに気付くはずです。

 みっつめは、「築21年~30年までの時代」です。この10年は、30年間のメンテナンス費用の半分以上が降りかかります。しかし収入は最初の10年間の6割ほどになるでしょう。まさに「苦難」の時代・・・・です。

 賃貸物件は人間と違い、年を追う毎に格段と状況が悪くなります。建物も設備も古くなりますし、新しいライバルも出現するので、それは「当然のこと」です。

 人間なら、体力が衰えても「知識と経験と人脈と富の蓄積」がものを言いますが、賃貸物件は古くなることが直接的に評価に反映してしまいます。これは、建物・設備というハードを主体にしている以上は「仕方のないこと」です。最初から分かっているのですから準備しておけばいいのですね。

 避けたいのは、「バラ色の時代」に収益を使い切って貯蓄をせず、築10年を過ぎても工夫なく過ごし、築20年を過ぎて何の準備もなく困難に直面してしまうことです。

準備しておくことが大切です。

 このブログをご覧の皆様は「そのようなこと」はないと思います。では、どのように準備しておけばいいのでしょうか。

 まずはご存知の通り、最初の10年で計画的に「貯蓄をしておく」ことが大切です。この期間に貯蓄に回せるキャッシュフローが残らないとしたら、計画自体に「問題があった」としか言いようがありませんし、そのような事はないでしょう。

 次に、ローンを早期に返済する、という手段もあります。20年後から「真冬がやってくる」のですから、ローンは20年で完済しておけば、賃料収入が下がってもキャッシュフローは残せる可能性はあります。

 また、計画的にメンテナンスをすることも重要です。人間の体と同じで、定期的なメンテを行わないと早く「ガタ」がきます。30年間でかかる費用も大きく違ってきます。そのためには、ある程度の修繕計画と、定期的な点検を行うことです。

 そして、20年前後に「リニューアル工事」を行うことを計画に入れておく、という考えが最も重要でしょう。そのとき、どのような間取りや設備に人気があるかは分かりませんが、そのために資金をしっかりと準備しておくか、ローンを完済しておくことです。

 20年後の「困難さ」が分かっているのなら、早めに気付いて「備えておく」ことですよね。例えば「大地震に備える」ということは、いま国民の共通の関心事だと思います。しかし実際は「いつ来るか分からない」「本当に来るのか」ということで、真剣に「備
えてる」人は多くないでしょう。

 でも賃貸物件においては、築20年後の「苦難の時代」は100%「やってくる」のですから、そのことが、新築のときに気付いて、準備できたら素晴らしいですね。築10年で気付いてもまだまだ間に合います。築15年で気付いても大丈夫ですし、築20年に
なって初めて気付いても方法はあります。

 怖いのは、どんな事態になっても「気付かない」で「何の手も打たない」ことではないでしょうか。

この記事を書いた人
東原 相信 トウハラ ソウシン
東原 相信
不動産を持ち続けていればどんどん価値が上がるという「不動産神話」はすでに過去のものとなり、空室の増加や賃料の下落などに悩むオーナーの声をよく耳にします。つまり、賃貸経営は事業者(オーナー)の「経営力」の差が空室率に直結する時代が訪れました。私は、CPMとしての知識と経験で全力でオーナーの賃貸経営のサポートをいたします。
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