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2020年01月16日
賃貸経営まめ知識

賃貸経営の7つのリスク

 賃貸経営には多くのリスクが存在します。リスクは賃貸経営だけにあるのでなく、どんな経営にも「付き物」です。たとえば「利益をあげよう」という目的で経営を始めても、そこに大小のリスクが存在するのが経営の難しさです。売上が増えずに経費がかさんで
倒産するリスクや、従業員やお客様がケガをするリスク、損害賠償で訴えられるリスクもあります。

 経営者は、そのリスクを承知の上で経営を始めますが、できる限りリスクを減らし、被害を少なくしようとします。

 さて、賃貸経営にはどんなリスクが存在するのでしょうか。それを知ることで、可能性をゼロに近づけたり、起こったとしても被害を抑え込むことができますので、リスクを知ることは大きな意味があるのです。

 私たちは、賃貸経営に存在するリスクを7つに分類しています。その7 つのリスクとは以下の通りです。

賃貸経営の三重苦

①空室のリスク
②値下がりのリスク
③滞納による未回収損失のリスク

 これを「賃貸経営の三重苦」という人もいますが、この3つはお互いに深く関連しています。築年数が経過して、間取や設備が古くなれば、お客様のご希望との差が広がるので、部屋は決まりにくくなり、「空室」が発生します。

 決まりにくいと家賃を下げることになるので「値下がり」を招きます。そして、空室が続けば入居審査を緩(ゆる)くすることで対応せざるを得ないので、「滞納や未回収」が増えます。

 3つのリスクは、このような因果関係で結ばれているのです。時間が経てば老朽化が進むので価値が下がり、空室や家賃の値下げにつながるのは避けられません。でも、何も
手を下さずにいたら、この因果関係に拍車がかかるばかりです。

 この3つのリスクを減らすには、ある程度の手間と費用をかけて、物件価値(魅力)の下落に歯止めをかける必要があります。それによって「空室」と「値下がり」と「滞納増加」のリスクを乗り越える必要があります。

損害賠償、自然災害のリスク

 そして、次に続くリスクは、

④損害賠償のリスク
⑤自然災害のリスク

 たとえば、火災が起これば、逃げ遅れた入居者が被害に遭うこともあります。物件内で「滑ったり落下したり」して、入居者が怪我を負うこともあります。また侵入盗事件によって、入居者が財産を奪われることもあります。

 このような場合に、被害にあった入居者がオーナーに損害賠償請求する可能性があります。地震などの自然災害の被害者がオーナーを訴えるケースは、過去にも実際にありました。(オーナーに1億円以上の損害賠償命令が下った裁判例もあります)

 賃貸経営というのは「住む場所」を提供する商売なので、必然的にこのようなリスクが生まれてしまいます。

 このリスクを減らすためには、建物と設備の点検やメンテナンスが重要になります。入居者にとって危険なものは取り除いておかなければなりません。耐震診断や耐震補強が必要になる場合もあります。何をやるにも費用がかかります。

 賃貸経営の目的が「利益」なら、安全のために必要な費用は積極的に負担して、その分、収入を増やす方法を考えるべきなのでしょう。

事件・事故のリスク

 部屋の中で入居者が「命を落とす」という事態は、オーナーに大きな損害を与えます。最も深刻な事態は自殺でしょう。部屋がなかなか決まらずに空室が続きますし、募集賃料を大幅に下げなければなりません。そのような事態を減らすためには入居審査が重要になります。入居審査で100%を防ぐことはできませんが、その可能性を審査基準に入れることは意味があります。家賃の支払い能力だけが審査基準ではないのです。

 もうひとつ、起きてしまったあとの対応が大事です。事件や事故を「ある程度」想定しておくことができれば、不幸にも起きてしまったときは落ち着いた対応ができます。

そのための準備をしておく必要があります。リスクは事前に知ることによって対応策を用意しておくことが出来るのです。

立ち退き料のリスク

 賃貸経営は最後に「建物の取り壊し」という運命が待っています。入居者には「立ち退きのお願い」をしなければなりません。そのとき「立ち退き料」が発生することになります。

 賃貸経営をするうえで避けて通ることはできません。話の分かる入居者ばかりなら、立退き料は大した額にはならないでしょう。でも、欲深い入居者にあたれば膨大な額を請求されることもあります。その間の、オーナーの精神的なダメージも大きいです。

 このリスクを避ける有効な手段は「定期借家契約」の活用です。既存の契約を定期借家契約に切り替えることは、すべてではありませんが可能です。

 ただしノウハウが必要になります。取り壊す時期を何年も前に予定して、時間をかけて手を打てば、「立ち退き料ゼロ」にすることも可能なのです。

今のうちから準備を

 以上が、私たちが考える「賃貸経営の7 つのリスク」です。運が良ければ、このようなリスクは現実にならないで賃貸経営を続けることができます。

 でも、賃貸経営のプロならば、これらのリスクを十分に知り、そのための「手立て」を講じていることでしょう。この記事をご覧になっているオーナー様も、きっとそうだと思います。ただ、多くのオーナーさんは、ここまでの準備はできていないかもしれません。

 誰もが必要な知識と経験を備えてから賃貸経営を始められたのではありませんから、それは仕方のないことです。そのときは、オーナーと一緒になって、リスクを排除する提案をしてくれる管理会社がいたら、心強いのではないでしょうか。

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