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2020年07月03日
賃貸経営まめ知識

【滞納事例】ギャンブル好きの母親

 滞納督促を多く手掛けている、ある司法書士の先生のお話です。

 先日、ある家主さんから家賃滞納の明渡し案件を受託しました。賃借人はシングルマザーで3歳のお子さんがいます。家主さんは「お子さん抱えて大変だろうから」という理由で督促も緩くなり、気がついたら家賃10ヶ月分の滞納になっていました。

 ところがこの賃借人、家主さんの好意とは裏腹に生活保護を不正受給したりギャンブルにお金を使ってしまったり、滞納しても「ごめんなさい」も言わないので、さすがに家主さんも堪忍袋の緒が切れてしまいました。

連絡がとれず。。。

 この賃借人、手続きに入って書面を送っても何のリアクションもありません。ただ一度だけ管理会社に「もう住めなくなるのでしょうか?」という問い合わせがありました。担当者が「滞納分を全額払ってもらわない限り無理ですね」と言うと、それっきりになってしまいました。こちらから電話をしても、まったく出てくれる気配はありません。賃貸借契約書に記載されている緊急連絡先(友人)の携帯に電話しても「現在使われておりません」と返すばかりです。ならば保証人に郵便物を送ろうと思っても、マンションの部屋番号が記載されていなかったので送ることもできません。やはり契約当初、仮に緊急連絡先であっても住所はきちんと確認しておきたいものです。地図アプリ等で一戸建てでないと分かったら、必ず部屋番号まで記載あるかどうかも確認しておくことをお勧めします。

漏水事故発生!

 裁判の期日が2週間ほど先に迫ったころ、この部屋が原因で水漏れ事故が起きました。ぽたぽたと、水が階下の部屋に漏れてしまったとのことでした。慌てて管理会社が現場に向かったところ、この部屋の台所とリビングはかなり水浸しになっている状況でした。同行した保険会社が確認したのですが水漏れの原因箇所が分かりません。本人も「気がついたら部屋が水浸しになっていた」というだけで、どこから漏れたのか、どうやったら漏れた水が止まったのかも分からないと言います。これでは賃借人が加入している保険ではお金が出ませんということでこの日は終了。もしかして自作自演か?という疑問すら抱きました。「全額払えば住める」と管理会社から言われ、水漏れで保険金がでればそのお金で払えるはずとでも思ったのでしょうか。そう疑ってしまうほど、この水漏れは不可解だったのです。

 ちょうどこの直後、賃借人とやっと電話が繋がりました。水漏れ事件で住めないから、すぐに退去したとのこと。ならばまず解約の書面と残置物の放棄書が欲しいので、転居先を教えてくださいとお願いすると、後でメールしますとの返事。この書面が届けば訴訟も取り下げて終われるので、家主さんも早く次の募集ができるなと安心しました。しかし待てど暮らせど、彼女から転居先の連絡先は届きません。小さなお子さんがいる家庭は、予防接種や学校等のこともあり、基本住民登録をきっちりします。これは家賃滞納者でも同じです。今回の事例のように連絡がつかなくなった場合には住民票を請求してみると、意外とすぐに転居先が分かることが多いのです。

 今回も住民登録は、あっさり異動されていました。しかもその住所は、緊急連絡先の住所と一緒です。おそらく転がりこんだのでしょう。部屋番号も分かったので、解約の書面等を送ってみると、やっと送り返されてきました。理由は家主側の保険で、水漏れに関する損害が補てんされると伝えたので安心したからでしょうか。

 今回のように家主さんの好意も、滞納者に伝わらないこともあります。審査のときは賃借人をよく見て判断するという大原則を忘れないようにしましょう。

この記事を書いた人
東原 相信 トウハラ ソウシン
東原 相信
不動産を持ち続けていればどんどん価値が上がるという「不動産神話」はすでに過去のものとなり、空室の増加や賃料の下落などに悩むオーナーの声をよく耳にします。つまり、賃貸経営は事業者(オーナー)の「経営力」の差が空室率に直結する時代が訪れました。私は、CPMとしての知識と経験で全力でオーナーの賃貸経営のサポートをいたします。
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