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2020年06月29日
賃貸経営まめ知識

借主が亡くなったら賃貸借契約は終了できますか?

Q.50才台の男性に長く貸していましたが、その方が亡くなりました。賃料も遅れがちでしたし、知らない間に同居の女性が住んだりしているので、これを機会に解約したいと思います。借主が亡くなった場合、賃貸借契約は終了できるのですか?

A.借主が亡くなられた場合、賃貸借契約も当然に終了すると思われている方が多いのですが、そうではありません。その男性に相続人がいれば、その方に賃借権が相続されます。もし相続人がいなければ、同居女性に賃借権が承継される場合もあります。ですから、すぐに明け渡しを求めることはできません。亡くなった借主には、お子様とかいら
っしゃいますか?その同居人の方は籍の入った奥様ですか?

 

Q.息子さんが遠くで暮らしていたはずですが、お葬式にも来られなかったようです。同居の方は内縁関係のようで、今回、はじめて挨拶を交わしました。

 

A.まず、その息子さんに連絡をとって意思を確認する必要があります。お葬式にも顔を出さず、遠くで暮らしていますから「賃借権を放棄する」と思いますが、一筆書いていただいた方が確実でしょう。相続人が複数いる場合は他の方も同様ですので、面倒な手続きが必要になりますね。もし、相続人に連絡しないで解約手続きを取った場合でも、この息子さんから後で苦情がくることは「ほとんど」考えられないと思いますが、法律上の正しい手続きとしては説明した通りです。連絡を取っても「なしのつぶて」の場合は、依頼内容を内容証明で送り、一定の期間の経過後に解約処理する、という方法もあります。ただし何度も言いますが、正しくは「相続人から賃借権放棄の一筆」を貰っておくのが正し
い方法です。

 つぎに同居の方が「内縁の妻」、つまり婚姻関係にありながら婚姻届を出していない状態であった場合は、この方の承諾も必要、と考えた方がいいでしょう。

 今回のようなケースでは、この方への賃借権の承継は認めらていません(相続人がいない場合は認められている)。でも、この方の承諾なしで、相続人との間で賃貸借契約を終了させるのは「問題あり」だと思います。もっとも、この方に退去していただかない限り、事実上の「賃貸借契約終了」とはならないワケですが。

 しかし、この方が希望するならば、新たに賃貸借契約を締結して「住み続けていただく」という選択肢もあると思います。家賃の支払い能力があって、連帯保証人が用意できるか、あるいは保証会社の審査が通るなら、この方に出て行っていただく理由もない
ように思います。次の募集ですぐに借主が決まるなら別ですが。

 とにかく、相続人と内縁の妻がいますので、「借主の死亡」というだけで賃貸借契約は解除できません。各々の思惑が絡まると面倒なことになってしまう場合もありますから、慎重に対応してください。

この記事を書いた人
東原 相信 トウハラ ソウシン
東原 相信
不動産を持ち続けていればどんどん価値が上がるという「不動産神話」はすでに過去のものとなり、空室の増加や賃料の下落などに悩むオーナーの声をよく耳にします。つまり、賃貸経営は事業者(オーナー)の「経営力」の差が空室率に直結する時代が訪れました。私は、CPMとしての知識と経験で全力でオーナーの賃貸経営のサポートをいたします。
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