令和8年度税制改正で賃貸経営はどう変わる?(3/3)
今回も引き続いて、これからの資産防衛に必要なポイントも含め、税制改正の詳細をわかりやすく解説していきます。
ポイント3:高所得者への最低税率制度の強化
今回の税制改正で、不動産の売却を考えているオーナー様が見逃せないのが、「高所得者に対する最低税率制度」の強化です。
所得税の基本は、所得が増えるほど税率が上がる「累進課税(最高税率45%)」です。
一方で、所得1億円を超える高所得者は、実際の税負担率が下がる傾向があります。
理由は、所得税率15%(住民税と合わせて約20%)の不動産や株式の売却・配当の比率が高いケースが多いからです。
この不公平を是正するため、2025年から「通称:ミニマム課税」が導入されました。
これは、以下の合計所得が3.3億円を超えた部分に対し、その22.5%にあたる金額が、「最低かかる所得税」になる制度です。
・総合課税の所得(給与所得や事業所得など)
・分離課税の所得(不動産の譲渡所得など)
・株式譲渡所得や配当所得
令和8年度税制改正大綱では、この最低税率が強化されます。
所得1億6,500万円を超えた部分の30%にあたる金額が「最低かかる所得税」となります。
適用された場合の税金計算の流れを見てみましょう。
1.通常の所得税を計算
2.最低納めるべき所得税を計算:所得1億6,500万円を超えた部分の30%にあたる金額を計算(計算式:(基準所得金額-特別控除額1.65億円)×税率30%)。
3.「最低納めるべき所得税」が「通常の所得税」を上回った場合、その差額を追加納税
ここでオーナー様に注意していただきたいのが、高額物件の売却益です。
これまで通り「長期譲渡所得は約20%の課税で済む」と考えていた場合、最低税率制度により追加納付が発生し、手元のキャッシュが思ったよりも少なくなる可能性があります。
この新しいルールは令和9年(2027年)分の所得税から適用される見込みです。
不動産売却を検討しているオーナー様にとっては、実行時期の判断が非常に重要になります。
今回の「令和8年度税制改正大綱」は、不動産オーナーや高所得者にとって、これまでの常識が通用しなくなる大きな転換点となります。
しかし、改正内容をしっかり捉え、早めに布石を打つことで、その影響を最小限に抑えることが可能です。
全3回に分けて解説してきましたがいかがだったでしょうか。
当社では空室対策などさまざまなオーナー様へのお手伝いいたしますので是非一度当社にお問い合わせください。
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