マンション管理組合でも国債は購入できる?
こんにちは!分譲マンション担当のNです。
毎日暑い日が続いていますね。
この時期は建物点検や工事の立会いなどで外に出ることも多く、「今年も暑いなぁ…」と思いながら現場を回る毎日です。
そんなある日、総会終了後に理事長からこんなご質問をいただきました。
「管理組合でも国債って買えるんですか?」
私自身も気になったので、財務省の資料などを確認しながら調べてみました。
結論からお伝えすると、管理組合は国債を購入することが可能です。
なお、今回の記事は、財務省の公表資料をもとに作成しています。制度の詳細や最新の情報については、財務省ホームページや取扱金融機関でご確認ください。
令和8年12月募集分(令和9年1月発行分)から、新たに「個人向け国債プラス」という制度が始まり、マンション管理組合(法人格のない管理組合を含む)も購入対象となるようです。
今後、資金運用の選択肢の一つとして検討する管理組合も増えてくるかもしれません。
今回は、
・ 管理組合でも国債を購入できる理由
・管理組合が購入するメリット・注意点
・管理会社はどこまでサポートできるのか
について、管理会社の立場からご紹介したいと思います。
管理組合は以前から国債を購入できた?
以前から「新窓販国債」を管理組合でも購入することが可能だったようです。
ただし、新窓販国債には一つ注意したい点があります。
満期前に資金が必要となった場合は、市場で売却することになります。そのため、市場金利などの影響により価格が変動し、売却するタイミングによっては購入した金額を下回る可能性があります。
修繕積立金は、将来予定される大規模修繕工事や設備更新など、必要な時に確実に活用できることが重要な資金です。
そのため、安全性や換金のしやすさという点では、慎重に検討する必要がある商品といえました。
「個人向け国債プラス」とは?
今回新たに創設される「個人向け国債プラス」は、これまで個人のみが購入対象だった個人向け国債を、マンション管理組合も利用できるようにした制度です。
大きな特徴は、発行から1年経過すれば中途換金が可能であることです。
また、中途換金する場合も、市場価格で売却する「新窓販国債」とは異なり、市場金利による価格変動の影響を受けない仕組みとなっています。
そのため、市場環境に左右されることなく、比較的安心して資金を運用することができます。
国債を購入するメリット・注意点について
メリット
管理組合にとって一番のメリットは、修繕積立金などの大切な資金を、安全性を重視しながら運用できることです。
普通預金や定期預金と比較すると、金利面で有利となる場合があり、国が発行する債券であることから、安全性の高い資産として位置付けられています。
また、一定期間経過後は中途換金も可能なため、大規模修繕工事などで資金が必要になった場合にも対応しやすい点は、管理組合にとって安心材料の一つになると考えられます。
注意点
一方で、近い将来に大規模修繕工事や設備更新などを予定している場合は、必要となる資金まで運用してしまわないよう注意が必要です。
また、国債の購入は管理組合の大切な資産運用となるため、理事会で十分に検討したうえで、総会で承認を得るなど、管理規約や組合運営に沿った手続きを行うことが望ましいです。
管理会社はどこまでサポートできるのか
管理会社は、管理委託契約に基づき管理組合の管理事務を補助する立場です。
そのため、制度説明、総会議案書・説明資料の作成補助、会計処理補助等を行うことは可能です。
一方、国債の購入や換金は、管理組合の資産運用に関する意思決定となります。
債券取引口座の開設、代表者変更、購入・換金の手続きについては、管理組合の代表者が金融機関で手続きを行う必要があり、管理会社が代理で行うことはできません。
まとめ
今回、「管理組合でも国債は購入できるのか」というご質問をきっかけに調べてみましたが、令和8年12月募集分(令和9年1月発行分)から始まる「個人向け国債プラス」の創設により、マンション管理組合にとって国債がより利用しやすい制度となることが分かりました。
一方で、実際に購入するためには、管理組合名義での債券取引口座の開設や購入手続き、代表者が変更となった際の各種手続きなど、管理組合にて手続きが必要となります。そのため、安全性や収益性だけでなく、運用後の管理体制や事務負担についても十分に検討することが大切です。
もちろん、修繕積立金は区分所有者の皆さまからお預かりしている大切な資金です。安全性だけでなく、将来の修繕計画や資金計画を十分に踏まえたうえで、慎重に運用方法を検討することが重要です。
今後も、管理組合運営に役立つ制度や情報について、分かりやすくお伝えしていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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