令和8年度税制改正で賃貸経営はどう変わる?(2/3)
前回に引き続き、これからの資産防衛に必要なポイントも含め、税制改正の詳細をわかりやすく解説していきます。
※本稿は、大綱ベースのものです。
最終的な改正内容は、報道や条文・通達などでご確認ください。
税制改正を踏まえた今後の賃貸経営の考え方
今回の改正は、単なる評価額の計算変更ではありません。
これまで通用していた「亡くなる直前に買って相続税を圧縮する手法」が終わりに近づくことを意味しています。
これからの賃貸経営は、節税メリットのみを追うのではなく、「投資としての健全性」がより問われます。
以下のポイントを押さえて、相続対策を再設計しましょう。
【「短期節税型」から「長期収益型」への転換】
相続前5年以内に購入した物件は、購入価格に近い金額で評価されるため、節税効果が限定的になります。
少なくとも5年以上の保有を前提とした計画設計が必要です。
【5年の壁を逆手に取った早期対策】
現時点では、5年経過後は従来の路線価等による評価が適用される可能性があります。
相続対策が必要な場合は、被相続人(オーナー様)の年齢や健康状態も踏まえ、時間軸を逆算した資産組み換えが重要です。
【持続可能な賃貸経営のチェックリスト】
「長期収益型の賃貸経営」へと舵を切る際、以下の要素を高い次元でバランスさせることが不可欠です。
・収益の安定性
・長期修繕計画
・明確な出口戦略
ポイント2:不動産小口化商品の評価が取引価額ベースに
今回の税制改正大綱では、不動産小口化商品(任意組合型等)についても、評価方法の見直し方針が示されました。
そもそも「任意組合型」とは、複数の投資家が出資して「任意組合」を作り、共同で不動産を購入・運営する仕組みです。
その最大の特徴は、投資家が不動産の「共有持分」を直接所有する点にあります。
今までは現金(額面100%評価)で保有するよりも、不動産(路線価等による評価)として保有する方が相続税評価額を大幅に下げられるため、効果的な相続対策として活用されてきました。
しかし、2027年(令和9年)1月1日以後に発生する相続等から、「通常の取引価額(時価)に相当する金額」で評価される方向です。
これにより、不動産小口化商品を活用した「相続税の圧縮効果」は大幅に縮小する見込みです。
今後は節税効果のみを期待するのではなく、「その物件が、節税抜きでも本当に稼げるか」を見抜く力が求められます。
それでは今回はこのあたりにして、続きは次回ブログで!(次回 4/21)
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