賃貸オーナーが今、家族信託を検討すべき理由とは?②
第2回目の今回は、家族信託の基本的な仕組み等について確認していきましょう。
“認知症リスク”への備えとして注目される「家族信託」
たとえば、賃貸オーナーである親(委託者)が、将来に備えて子(受託者)に賃貸物件の管理を任せたいと考えたとします。
この場合、親子で「信託契約」を結び、アパートなどの物件(信託財産)を子に管理・運用してもらう形をとります。
さらに、物件から得られる家賃収入や売却益などを受け取る人(受益者)を親自身に設定しておけば、オーナーはこれまで通り、安定した収入を得続けることができます。
つまり、家族信託を使うと、オーナー様は収入を得る権利を持ちながら、実務をお子様に任せることができるというわけです。
「財産を家族などに任せる仕組み」としては、「成年後見制度」もよく知られています。
ただし、成年後見制度は家庭裁判所の監督下で財産管理を行うため、資産の積極的な運用・処分には制限があり、新たな契約や売却などでは都度、許可が必要となります。
「家族に管理を任せながらも、自由度の高い資産活用をしたい」というオーナー様には、家族信託の方が相性がよいケースが多いでしょう。
賃貸オーナーが家族信託を行った場合の事例紹介
家族信託を実際に活用したいけれど「何から始めたらいいのか分からない…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、オーナー様が不動産会社を窓口にして家族信託を進めた場合の事例をご紹介します。
●1.不動産会社に相談する
まずは、取引のある不動産会社に、家族信託のサポートが可能かどうかを相談してみましょう。
最近では、家族信託に関する支援を行う不動産会社も増えてきています。
不動産会社を窓口に家族信託を進めると、以下のようなメリットが得られます。
・信託後の賃貸経営(空室対策・修繕・売却)も一緒に相談できる
・信託スキームと資産戦略(資産の組み換えや出口戦略)をセットで考えられる
ただし、信託契約書の作成や登記は司法書士の専門分野なので、不動産会社と司法書士が連携して進めるのが基本です。
●2.信託する資産を決定する
家族信託は、オーナー様(委託者)が信頼するご家族(受託者)に、財産の管理や運用を任せる仕組みです。
そのため、「どの財産を、誰に、どのように」任せるのかを具体的に決める必要があります。
この段階では、受託者になる方だけでなく、他のご家族とも話し合っておくことで、後々の相続トラブルを防ぐことにつながります。
●3.専門家に手続きをしてもらう
2で決めた内容を「信託契約書」として書面にまとめます。
それを公正証書にしておくとより安心です。
不動産会社に、家族信託に詳しい司法書士を紹介してもらえば、スムーズに進みやすくなります。
もし、お付き合いのある司法書士がいれば、その方にお願いするのも良いでしょう。
なお、信託契約書を作成したあとの手続きは、資産の種類によって異なります。
・不動産の場合:法務局で信託登記(名義の変更)の必要がある
・現金や預金の場合:信託専用の口座を作り、そこへ資金を移す必要がある
家族信託の費用が気になるオーナー様も多いと思います。
専門家に手続きを依頼した場合、一般的に30万円から100万円程度の費用がかかるといわれます。
ただし、この金額はあくまでも目安であり、信託財産の種類や総額などにより上下します。
今回は少し長くなりましたが、次回は家族信託を利用する際の注意点を最後に簡単にまとめたいと思います。(次回 7/23)
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