賃貸住宅の構造のメリット・デメリットを理解する①
賃貸経営を成功に導くために構造選びは非常に重要
本賃貸住宅の構造には、木造、軽量鉄骨造、重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造など様々な構造が存在します。
賃貸経営を行うオーナーの経営方針や、物件の所在する地域性によって、どの構造でどのように建設するかが選ばれる訳ですが、新築時の構造選びを誤ってしまうと、経営を始めた後に予想以上に出費が増えてしまうなど、賃貸経営に悪い影響を与えることが起こります。
賃貸経営の場合、どのようなエリアに、どのような建物を建てるかがその後の経営を左右する重要な要素となります。その中でもとりわけ、賃貸住宅をどの構造で建設するかは、建設できる建物の大きさを左右し、その結果、家賃収入の大小が決まってきます。
また、固定資産税や所得税などの税金、火災保険料、維持管理のメンテナンス費用などの出費面も大きく変わってくるので、賃貸経営に大きな影響を与えます。
そこで、今回は、賃貸住宅のオーナーとして最低限知っておいて欲しい各構造のメリット、デメリットについて全3回に分けて紹介し、みなさんに理解を深めていただこうと思います。
構造別のメリット・デメリット
【木造】
木造は、柱や壁といった主要な部分の建材に木材を利用した工法です。
古くから日本の建築物に使用されてきた工法です。
今でも、低層の建物においては、一番多く採用されている工法です。
比較的安価で建設できること、設計の自由度が高いこと、一般的な工法であるため多くの建設業者で建築やリフォームができることがメリットです。
一方で、耐火構造にすることや遮音性を高めることが難しい点、高層建築に向かない点などのデメリットがあります。
従って、小規模な賃貸住宅を建設するのに適しています。
【軽量鉄骨造】
軽量鉄骨造は、主要な構造体が鉄骨であり、その鉄骨の太さが6ミリ未満のものをいいます。
主に鉄骨系ハウスメーカーのプレハブ工法(工場で事前に構造体を制作し現場に持ち込む工法)に採用されています。
木造のメリットと重量鉄骨造のメリットを併せ持った工法と言えます。
しかし、高層の建物を建設ことができず世帯数を増やすためには大きな敷地が必要となり、コストアップにつながってしまうというデメリットがあります。
【重量鉄骨造】
重要鉄骨造は、主要な構造体の鉄骨の太さが6ミリ以上のものをいいます。
重量鉄骨造は高層にすることが出来る上、耐火構造にもしやすく、防火の規制の厳しい地域においても高層での建築が可能です。
また、上下階の防音性能も高めやすいので、品質の高い賃貸住宅を建設するうえでは、とても優れた構造と言えます。
しかし、建設コストが割高であり、固定資産税などのコストも割高になるため、比較的家賃が高く取れるエリアでないと賃貸収支が悪くなってしまいます。
【鉄筋コンクリート造】
分譲マンションやタワマンなどで採用されている構造です。
鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込んで固めた構造になります。
耐用年数が非常に長く、耐火性能や遮音性能も、他の構造に比べても格段に高くなります。
鉄筋コンクリートの賃貸住宅は一つのブランドと言え、入居者にはとても人気があります。
一方で、鉄筋コンクリート造は建設コストが高いうえに、メンテナンス費用も高額になってしまうデメリットがあります。
地価が高く、高層化が必要なエリアや家賃が高く取れるエリアであれば、鉄筋コンクリート造のメリットを活かすことができますが、家賃を高く取れないエリアに建設すると、収益性の悪い物件になってしまいます。
今回は構造別のメリット・デメリットについて紹介しました。次回は構造によりどのように違ってくるのかについて紹介します。
それでは次回ブログで。(次回は2/19です)
関連した記事を読む
- 2024/11/19
- 2024/11/12
- 2024/11/08
- 2024/10/29