区分所有法の見直し?!
先日下の娘から「キングダムのコミック全巻そろえたいんだけど4分の3は父が出してっ」と言われて、イラッ!と思う自分と、シメシメ(´∀`*)と思う自分のハザマで揺れ動いていた、分譲担当「T」です。(子供からそんなに言われたら仕方ないなー…って妻のYESに何とか漕ぎ付ける事ってありますよね? ねぇ~?)(*´з`)
さて、今回は管理組合運営を根幹から考え直すことに成り兼ねない「区分所有法の見直し」についてご紹介したいと思います。
なぜ改正する必要があるのか?
■今後、老朽化マンションが急増
令和3年末で築40年を超えるマンション戸数は約116万戸です。(マンション総戸数は約686万戸ですので、その6分の1程度)
それが20年後の令和23年末には約425万戸となり、老朽化したマンションでは管理・再生が重要な問題となります。実際築50年前後のマンションではいつまで建物を利用できるのかという問題から、修繕計画と修繕の必要性のバランスで管理組合の意思決定がスムーズにいかなくなるという事が心配されます。
■区分所有者不明問題
日本の社会状況は言うまでもなく人口の高齢化が急速に進行しており、当然区分所有者の高齢化も進行しています。
そうすると必然的に相続問題が発生し、相続をきっかけにマンションにおける所有者不明問題へと発展すると予想されています。
ちなみに、所有者不明問題は既に土地については多くの法律の制定・改正が為されております。利用価値の少ない土地などでは、所有者が死亡し相続されても登記が為されず、不動産登記を見ても所有者が分からないという事態が生じていましたので、相続が起きたら相続人は相続登記の申請をしなければならないという法改正が行われました。
マンションにおいても専有部分の価値が低かったり、相続人が分からなかったりして、相続登記がなされないという事態が生じると予想されます。
区分所有者不明からの問題とは?
■専有部分の管理が為されなくなり、近隣住戸に迷惑(臭いや汚れ等)をかける
■総会決議に対する成立要件を満たせなくなる
※特に建替え等のマンション再生が必要となる場合、決議要件となる5分の4以上の賛成を得る事が困難となる(不明者は書面による賛成も委任もできない)
どのような改正が検討されているのか?
■区分所有者が不明となった場合に、該当の専有部分を適切に管理する必要がある。また、不明でなくても適切に管理ができていない区分所有者もいる。(例えば専有部内がゴミ屋敷となっている等)
➡区分所有者(又は法定相続人など)が専有部分を管理するための制度が求められる
■不明な区分所有者がいることにより、総会決議をすることが難しくなるという問題に対処する必要がある。
➡不明者を決議の母数(定数)から除外する。更に不明ではないものの総会決議に参加せず、委任状でも賛否を明らかにしない区分所有者についても、母数(定数)から除き、総会に出席した(委任状含む)区分所有者のみの多数決で決議ができるとする
■マンション管理に興味を持たず、総会に出席しない区分所有者が増えている
➡区分所有者が負うべき責務について何らかの規定を置くべき
という事などが検討されています。
法務省の法制審議会
区分所有法の改正は、本格的な議論が始まったばかりです。
法務省の法制審議会・区分所有法制部会というところで議論がされて、法務省のホームページで資料や議事概要等が公開されていますので、管理会社としても改正の方向性をチェックしていきながら、管理組合様へ情報を提供していきたいと思います。
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