換気についての注意喚起!
先日、弊社管理物件にて「結露がひどく何とかして欲しい」との入居者様からのSOSがありました。
気密性の高いマンションでは木造住宅に比べ室内の湿度が高くなり、結露が発生しやすくなると言われています。
まずは結露について以下のポイントの聞き取りを行い、主な原因を探っていきます。
①築年数の確認
・築年数(平成15年前後)によって24時間換気システムが設置されているかどうかを確認
・新築、築浅物件の場合は、コンクリート内の水分蒸発により特に結露が発生しやすい
②換気状況の確認
・24時間換気システムが設置されていても、24時間換気を切っていたり、各室壁に設置されている給気口(レジスター)を閉めていないかを確認
・24時間換気が設置されていない場合は、お風呂や台所の換気扇を稼働させて出来るだけ室内の空気を循環させているか確認(換気用の小窓が開いているかも確認)
※室内空気の循環には排気と給気のバランスが取れているのかが非常に重要となります。
特に冬場は寒い外気を室内に入れたくない為、給気口を締められている場合が多々見受けられますが、それでは室内の空気の循環がうまくできず、結露を引き起こす要因となります。
③暖房器具の確認
石油ストーブやガスファンヒーター等の「燃焼系」の暖房器具は水蒸気が発生し、結露が発生しやすくなります。
エアコンやオイルヒーターなどの「非燃焼系」の暖房器具の方が結露の発生は抑える事が出来ます。
今回の相談事案では上記確認ポイントでは、築年数も20年超であり、浴室換気扇を常に稼働させており、暖房器具もエアコンを使用されているとの事でした。
何か別の原因があるのではないかとの事で、現地へ結露状況の確認にお伺いしてきました。
現地に到着し状況を確認してみると、確かに浴室の換気扇は稼働しているのにお風呂内は水滴だらけ、給気口も確認しましたが給気口も開いている。「燃焼系」の暖房器具も使用されておらず、さらに除湿器を使用されておりました。
換気扇の経年劣化により吸引力(換気能力)が低下しているのか?
簡易的な吸引力の確認方法として、換気扇付近にティッシュペーパーを近づけて確認してみると、換気扇はきちんと稼働しているのに吸引力が非常に弱い!
換気扇に問題はないと思われましたので、換気扇本体以降の『排気ダクト』の問題か、吸引された空気が排出される『排気口』の問題ではないか原因を切り分けていきます。
浴室点検口より天井裏を確認しましたが、排気ダクトが潰れている状況はなし。
排気口を確認してみると、排気口ガラリの網目が長年の埃等で目詰まりを起こしておりました。
排気口を取外し清掃を行い再設置し、再度吸引確認したところきちんと排気している事が確認できました。
入居者様へ状況を説明し経過観察をお願いし、後日その後の状況をお伺いしたところ、「おかげさまで改善されました」とのご報告を頂きました。
今回の問題となった排気口は共用廊下とバルコニー壁面にそれぞれ設置されておりましたので、脚立作業での対応が可能でしたが、外壁面に排気口が設置されている建物もあります。
足場等がないと作業ができない場所となりますので、大規模修繕工事等の際に「排気口の清掃」を工事項目に追加する事を今後は提案していきたいと新たな経験を積ませて頂いた事案でした。
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