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2020年10月21日
賃貸経営まめ知識

預貯金の払戻し制度の創設

先月ご紹介した通り、昨年、民法の相続制度が40年ぶりに改正されました。

改正背景には、高齢化社会が進むに伴って増加する、「争族」を回避することも見直しの理由にもなってるとの事です。その中で、今回の改正で預貯金が遺産分割の対象になる場合に、各相続人は、遺産分割が終わる前でも、一定の範囲で預貯金の払戻しを受けることができるようになりました。

改正前

 人が亡くなると銀行など金融機関の口座は凍結されます。正確にいうと金融機関は口座の名義人が亡くなったことを知った時に口座を凍結します。
 
 被相続人の預貯金も遺産分割の対象ですので、これまで、一度口座が凍結されると遺産分割について相続人全員が合意しなければ口座の凍結を解除できず、預貯金を単独で払い出すことができませんでした。
 
 しかし、親族が亡くなるといろいろと費用がかかります。亡くなられた方名義の預貯金口座の資金が生活費であれば、1円も引き出せないのはとても困ります。葬儀費用も必要ですからね。

※下記イラストをご参照ください。(法務省作成のパンフレット「相続に関するルールが大きく変わります」より抜粋) 

改正後

 今回の改正により、預貯金について定められた範囲の金額内であれば、家庭裁判所の判断を経なくとも金融機関の窓口で払い戻すことができるようになりました。定められた範囲とは
 
相続開始時の預貯金の額×1/3×払戻しを行う法定相続人の法定相続分
 
です。ただし、ひとつの金融機関から引き出せるのは最大150万円までと定められています。また、あわせて改正された「家事事件手続法」の改正により、仮払いの必要性があると認められる場合には、ほかの相続人の利益を害しないと判断される限り、家庭裁判所の判断で仮払いが認められるようになりました。
 
 これにより、遺産分割が完了する前でも故人の預貯金からの払出しが、これまでよりも容易に行えるようになりました。しかし、この改正で相続人となる人は当面の資金に困ることがないとはいえませんので、ご注意下さい。

※下記イラストをご参照ください。(法務省作成のパンフレット「相続に関するルールが大きく変わります」より抜粋)

それでも当面の資金手当ては必要です

 預貯金の払出し制度ができたことによって、これまで遺産分割が完了するまでまったく手を付けられなかった故人の預金を払い出すことができるようになり、当面必要なお金を確保しやすくなったことは確かです。
 
 しかし、あくまでも緊急避難的な配慮に基づくものですので、相続人の誰かが代表して立て替え出来ない場合には、生命保険を活用したりするなどの方法で資金手当てを行うほうが望ましいといえます。

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この記事を書いた人
東原 相信 トウハラ ソウシン
東原 相信
不動産を持ち続けていればどんどん価値が上がるという「不動産神話」はすでに過去のものとなり、空室の増加や賃料の下落などに悩むオーナーの声をよく耳にします。つまり、賃貸経営は事業者(オーナー)の「経営力」の差が空室率に直結する時代が訪れました。私は、CPMとしての知識と経験で全力でオーナーの賃貸経営のサポートをいたします。
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