極度額はいくらにすれば?
賃貸借契約の連帯保証契約で、個人が連帯保証人になる場合には、法律上、個人根保証契約となります。
以前、民法改正についてお伝えした通り、個人根保証契約は「極度額」を書面で定めなければ、連帯保証契約自体が無効となってしまいます。
したがって、必ず「極度額」を定める、ということが必要です。
極度額の定め方
「極度額」とは、元本、利息、損害賠償等、保証債務に関する全てを含んで最大限、保証人が負う可能性のある限度額のことです。
大家様から考えると、保証は多ければ多いほどいいので、極度額を「1億円にして」と言われたりしますが、あまりにも高額であれば、「公序良俗に反する」として無効になる可能性もあるみたいです。
法律上定めがあるわけではありませんし、現段階では裁判例の蓄積があるわけではありません。では、何を基準にすればいいのだろうと思いますよね。
少し調べてみたところ、国土交通省に「極度額に関する参考資料」というものが公開されていましたので、少しご紹介させて頂きます。
家賃債務保証業者に対する損害額の調査結果
この調査は、国土交通省の家賃債務保証業者登録制度に登録している家賃債務保証業者を対象とし、平成29年12月~平成30年2月までの損害額の調査です。
損害額については、家賃債務保証業者が借主に代わって貸主に支払った、家賃、共益費、管理費、駐車場料金、更新料、残置物撤去費、修繕費、違約金等の総額から、借主に求償して回収した金額を控除し、求償から一定期間が経過し、損害額として判断された残額としました。
この調査では、賃料8万円から12万円の物件の損害額としては、240万円までの損害額だったものが全体の99.6%となっています。家賃が12万円だとすると、賃料の20ヶ月分ですね。
裁判所の判決における連帯保証人の負担額に係る調査
この調査は、平成9年11月~平成28年10月の間に、民間賃貸住宅の賃貸借契約における連帯保証人に負担を命じた裁判所の判決の調査です。
調査結果は、裁判所において、民間賃貸住宅における借主の未払い家賃等を連帯保証人の負担として確定した額は、平均で家賃の約13.2ヶ月でした。
まとめ
以上の調査結果を考慮すると、極度額をいくらにすればいいかが見えてきますよね。
現在の極度額の設定が、損害額の平均より低い額を設定しているオーナー様は、再度極度額の設定をご検討して下さい。また、中京ハウジング(株)は契約書の雛型作成等の相談にも対応していますので、お気軽にお問い合わせください。
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