新型コロナと賃貸管理
一旦は落ち着ちついたかのように見えた新型コロナウィルス感染症ですが、再び拡大を見せ始め、不安な日々が続きます。
我々管理会社も今後の新しい生活スタイルを取り入れ、ビジネスのあり方を変える必要があります。今回はその状況と今後の見通しについて考えます。
賃貸管理業者にもコロナ禍の影響
世界中を大きな混乱に陥れている新型コロナ。その影響は世界中の経済にも打撃を与えています。民間の信用調査会社によると、新型コロナウイルスの影響で破産などの法的手続きをとって倒産した企業と、事業を停止して法的整理の準備に入った企業は合わせて311社に上りました(7月8日現在)。
賃貸管理業者にも影響が出ており、大手不動産情報検索サービスが5月に行なった調査では、仲介業者の7割以上が新型コロナウイルスの影響で来店客や内見が減少していると答えました。企業が転勤を控えたことや、引っ越しを自粛した方が多かったのも大きな理由のひとつですが、仲介業者自身が、営業時間短縮や対面営業の自粛、人員削減などを行なったことも影響しているようです。
この混乱がいつどのように収束するのかは、国も明確な予想を立てられない状況です。第2波が発生すれば、また緊急事態になる可能性もあります。管理業者としては、このような状況でもできるだけ円滑な営業を続けるためにも、状況を把握し、対策を検討しておく必要があります。
家賃が払えなくなったテナントの対策が必要
賃貸住宅で今後も問題になっていくのは、新型コロナによる自粛の影響で、収入が減ってしまった、賃貸住宅の入居者や、店舗の借主です。
特に短期的にはテナント退去のリスクがあります。飲食店やアパレル、カラオケ等が大きなダメージを受けていますので、これらの店舗が撤退してしまうケースが出てくるでしょう。
テナントが空いてしまった場合、同業種であればコロナの影響を受けていますから、次のテナントが見つかりにくいという状況が続く可能性もあります。
例えば飲食店が撤退した場合、今までは次の飲食店がすぐに見つかっていた物件でも、同業種の後継テナントがすぐに見つからないケースが増えていくと考えられます。
こういったケースで管理業者は何ができるかを、テナント側とオーナー様側の両方の立場になり、しっかりと考える必要があります。
新型コロナウイルスが沈静化すれば再び店舗の集客が回復するはずですので、オーナー様にも家賃の減額や支払い猶予をお願いするという発想も必要です。テナントに退去されてしまうほうが損失が多いと予測できるなら、早めに対応しましょう。
賃貸住宅入居者のコロナの影響を考える
店舗だけではなく、一般の賃貸住宅入居者も、コロナの影響で収入が減ってしまったという方が多くいらっしゃいます。
この場合もオーナー様との連携が必要になります。それではオーナー様はどのように考えているのでしょうか?
某賃貸経営情報誌のメールマガジン読者で、賃貸住宅を所有し賃貸している人458人に調査したところ、5月後半の時点で、全体の3割の大家さんが家賃の減免・猶予、もしくは退去などの影響を受けていると回答しています。入居者からの要請は、家賃の減免48. 5%、退去35. 1%、家賃の支払い猶予25. 4%などです。この要請を部分的であっても受諾したオーナー様は62. 0%にもなります。また、受諾しなかったオーナー様の半分以上が、入居者に住宅確保給付金などの支援制度の申請を勧めていたそうです。
国の支援策を知らない入居者も多くいらっしゃいます。管理業者はその情報を入居者に伝えることも、一つのサービスだと考えてはいかがでしょうか。
管理業者として考えるべきこと
まず営業面でのスタイルの変化を考える必要があります。従来型の対面式営業では、コロナの第2波がきた場合に、また営業を縮小しなくてはならなくなりますので、業務のオンライン化が必要となります。
次に入居者へのアドバイス。入居者が経済的に苦しくなった場合のための、補助金、助成金、融資等の内容を知らせる資料、またはそれらを開設したホームページの案内などを知らせることが大切になります。
次に物件管理ですが、特にエントランス部分やエレベーターなど不特定多数の入居者が触れてしまう場所の消毒を徹底した方が良いでしょう。
私共、中京ハウジング株式会社はオーナー様や入居者様と共に、このコロナ禍を乗り越えていきたいと考えています。
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