閑散期の空室対策 ②
昨日からの続きです。閑散期に合わせた空室対策についてご説明させて頂きます。
サービスの質を高める
賃貸経営はホテルや旅館と同じ「サービス業」として捉えれば、「サービスの質」を高めるのが本質です。最もシンプルで効果的なのは日常清掃の実施です。汚れたエントランスや通路の中の一室で暮らしたい、と考えている人はいないですね。整理整頓された共用部分は、お部屋の内見に訪れたお客様にも好印象です。
サービスといえば、長く住んでいただいた借主(たとえば3~4年)に、感謝の気持ちとプレゼントを提供する、というアイデアもあります。プレゼントするのは「TV モニタ付きインタホン」とか「エアコン」などの室内設備です。これなら、プレゼントとは言うものの、借主が退去時に「持っていく」ことはありません。オーナーの資産が増えるだけです。借主に選んでもらえば、彼らが希望する設備はそこで暮らす人のニーズが反映されていますので次の募集時には戦力になります。一石二鳥ですね。
外観の見栄えをよくする
少しの工夫で「外観の見栄えをよくする」という手法もあります。
まずガーデニングです。建物の周りとかエントランスと共用部分に、いつも綺麗な草花があったら、それは借主への大きなサービスになるでしょう。草花を見て心が和まない人はいないはずです。もし十分なスペースがないならプランターでもOKです。またガーデニングというと季節ごとに植え替えるのが面倒と考えてしまいますが、それも花を選ぶことで解消できます。ある雑誌には「パンジーとポーチュラカ」が勧められていましたが、このふたつだけで一年がもつそうです。
少し高度なテクニックかもしれませんが「ライティング」も、外観の見栄えアップに効果的です。昼間と夜(夕方)のギャップが、住む人を楽しませてくれるのです。お部屋の内見客が夕方から夜にかけて訪れたら、強いインパクトを感じていただけますね。「こういう事をする物件(オーナーさん)は、いい生活を提供してくれそう」と思っていただけると思います。特に過剰に飾り立てる必要はなく「ほっとするような明かり」で十分です。最近では、様々なライトがありますので、売り場を眺めているとアイデアが湧いてくるのではないでしょうか。
住宅設備を追加する
次は、やはり住宅設備です。
入居者アンケートによって人気の高い設備の上位にあるのは、エアコン、追い炊き、TV モニタ付きインタホン、高速インターネットなどです。これらは、設置した時の費用対効果が高いのです(9万円のエアコンを60回払いで設置しても月々の支払いは1500円です)。
女性に人気なのはセキュリティ設備です。オートロックが無理なら、電子錠、防犯カメラなど。最近では外からスマホで操作できたり確認できる便利なものが発売されています。「何でもスマホ世代」には訴求力が高いのではないでしょうか。
壁紙(クロス)を工夫するのも簡単で効果があります。白色系の無地が圧倒的に多い中でカラーや模様のある壁紙(クロス)は人気が高いでしょう。インパクトが強すぎる色や模様なら、一面だけ使う方法もありますし、これが個性的に映ります。
募集条件や入居条件で工夫する
募集条件や入居条件で工夫する方法もあります。「〇ヶ月はフリーレント」「〇ヶ月は家賃が100円」「〇ヶ月は家賃が半額」などの方法は、家賃を下げるより、一時(いっとき)だけの収入減少で処理できます。「家具や家電付き」という貸し方も、部屋を見に訪れたお客様に強い印象を与えるはずです。
以上のように「物件の価値を高める手段」は、まず「費用のかからない方法」から検討するのが順序です。でも、建物が築20年を超えたら、次の20年のために「外壁の塗り替え」「間取の変更」「設備の交換や新設」のような大規模なリニューアルを考える必要があるでしょう。
あと20年、賃貸経営を続ける予定でしたらベストタイミングです。ただし、多額の費用を投資することになりますので、回収できるかどうかの検討を慎重に行う必要がありますね。その具体的な考え方については、次の機会がありましたら伝えさせていただきたいと思います。
閑散期の空室対策は、入居者サービスを念頭においた基本に忠実な方法が中心となります。それを、オーナーと私たち管理会社が力を合わせて行うのです。なにより、提案する管理会社が必要なのではないでしょうか。
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