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2020年08月13日
賃貸経営まめ知識

滞納賃料督促の法的手続きについて③

家賃の督促を法的な手続きで行う場合に、「公正証書」、「民事調停」、「支払督促」、「少額訴訟」、「即決和解」、「通常訴訟」などの方法が紹介されてます。それぞれの特徴を説明3回に渡って説明します。本日はその3回目です。

即決和解

 次の「即決和解」は、あまり聞きなれない制度だと思います。

 まず「和解」とは、判決まで行かずに当事者の話し合いによって訴訟が終了することです。

 判決だと10 対0 という結果になりますが、和解なら5 対5 とか、6 対4という結果が当事者の話し合いで付けることができます。裁判では、オーナー側は「すぐに払え」と言い、滞納者は「ちょっと待ってくれ」と言う場合、判決が「すぐに払え」となったとき、「無い袖は振れない」状態になります。あとは強制執行という不毛な手段しか残りません。その場合は、当事者が話し合いで「5回の分割で払う」とかの和解案で合意した方が現実的なケースが多いわけです。なので、裁判所から和解が勧められることが多々あります。

 さて「即決和解」とは、文字どおりに「即決」で和解することです。つまり裁判所に勧められる前に、当事者間では和解の合意が出来ているのです。なら裁判所に行かなくていいのでは?と思いますが、それでは単に「約定書」なので強制力がありません。

 そこで裁判所に両者で出頭して和解調書を作成してもらうと、これは債務名義になるので、借主が和解内容を違え(たがえ)た時は強制執行が可能になります。しかも、明け渡しの強制執行も可能なので強力です。「公正証書」のところでも説明しましたが、滞納家
賃の分割支払いを和解調書にすれば、強力な強制執行のプレッシャーがかかります。

通常訴訟

 最後の「通常訴訟」です。

 滞納者が次のような場合には、この手続きが向いています。
 ・滞納金額が高額のとき(※ 140 万円を超えると地方裁判所の管轄になります。)
 ・明け渡しを目的とするとき
 ・相手に訴訟の知識が豊富なとき
 ・相手が暴力団等のとき

 賃料の滞納で通常訴訟となると、目的は判決よりも「強制執行」となるでしょう。それも、“回収”より“明け渡し”の強制執行が多いと思います。

 140 万円以下の請求額なら司法書士でも可能ですが、明け渡しの強制執行を視野に入れるなら、その方面の経験と人脈(※)の豊富な弁護士に依頼した方がいいでしょう。※専門の運送業者や鍵屋などの多数の人員が必要になります。

 弁護士費用も含めて100 万円以上かかる、と言われます。通常訴訟を選ぶのでしたら、最悪の費用は覚悟しなければなれません。

 ただ、この方法でしか解決できない悪質な借主もいますので、その場合は、早めに手を打った方が、それだけ解決も早くなります。

 以上、六つの法的手続きを説明しましたが、滞納の状況によって、どれを選ぶか異なります。法的手続きの目的は、「家賃の回収」か「退去を迫る」かです。退去が目的なら、“即決和解”か“通常訴訟”しか、明け渡しの強制執行はできません。「回収」が目的なら、相手の出方によって“公正証書”や“支払督促”いいでしょう。「プレッシャーをかけて任意で払って貰う」という目的もあります。

 当社では長年、専門家と共に様々な滞納問題の処理をしてきています。滞納問題でお困りのアパート・マンションオーナ様は中京ハウジング(株)までご相談下さい。

この記事を書いた人
東原 相信 トウハラ ソウシン
東原 相信
不動産を持ち続けていればどんどん価値が上がるという「不動産神話」はすでに過去のものとなり、空室の増加や賃料の下落などに悩むオーナーの声をよく耳にします。つまり、賃貸経営は事業者(オーナー)の「経営力」の差が空室率に直結する時代が訪れました。私は、CPMとしての知識と経験で全力でオーナーの賃貸経営のサポートをいたします。
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