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2020年06月01日
賃貸経営まめ知識

「反社会的勢力の排除」の条項について

賃貸借契約書に「反社会的勢力の排除」という条項が見られます。これは、貸主にとって、どのような意味があるのでしょうか?

条例で定められています。

 「暴力団排除条例」というものが全国の都道府県で施行されています。目的は「暴力団を排除して、住民の安全で平穏な生活を確保すること」にあります。質問の賃貸借契約書の条項は、この条例の取り決めによるものです。

 では、「貸主にとって、どのような意味があるのか」について考えてみましょう。

 万一、オーナーさんの賃貸マンションや貸事務所に、暴力団関係者が入居したり、事務所として利用されたら困りますね。家賃の滞納はなかったとしても、他の入居者が退去してしまうかもしれません。そこでオーナーは、借主が暴力団関係者と判明した時は、契約を解除できる権利を持っている必要があります。しかし、暴力団関係者というだけで賃貸借契約は解除できませんから、そのための契約条項を定めておく必要があるのです。これを「表明条項」と言うのですが、条例では、以下のように書くことを求めています。

 まず、貸主と借主がお互いに暴力団関係者(総称して反社会的勢力と表現します)ではないことを確約します。(会社組織であれば役員も同じです)次にお互いが、反社会的勢力に名義を利用させないことを確約します。そして、他人を脅したり欺いたり、暴力を
背景に業務妨害となる行為をしないことを確約します。このような条項を賃貸借契約書に入れることによって、反社会的勢力を隠して入居したら「契約違反」を宣告できるようになります。

つぎに「解除条項」が入ります。

 契約後に反社会的勢力であることが判明して契約違反が確定したら「何の催告もなく契約を解除できる」という強い条項です。これらを入れることは、万一のときのオーナーの「助け」となりますが、条例によって、オーナーに「義務付け」られてもいるのです。

 さて、オーナーの賃貸マンションに暴力団関係者が入居してしまい、契約後にその事実が判明した場合は契約解除と明け渡しを求めるのですが、その場合、借主が「反社会的勢力」と認定できなければなりません。いったい反社会的勢力の定義とはどのようなものな
のでしょうか?

 国交省が定める標準賃貸借契約書によると「暴力団、暴力団関係企業、総会屋若しくはこれらに準ずる者又はその構成員」のことを反社会的勢力と定義しています。これに該当していれば、解除条項によって「何の催告もなしに」解約することができます。でも、この定義は、すこし曖昧ですね。そこで、このほかに「著しく粗野若しくは乱暴な言動を
行い、又は威勢を示すことにより、付近の住民又は通行人に不安を覚えさせること」という行為も、反社会的勢力の定義と定めているのです。

 ご質問の賃貸借契約書には、以上のような条項が満たされていると思われます。

 最後に、賃貸借契約書に書かれているからといって暴力団関係者に解除を求めるには勇気がいりますね。条例では、「暴力団から危害を加えられるおそれがある者に対し、警察が保護のため必要な措置をとる」としてあります。

この記事を書いた人
東原 相信 トウハラ ソウシン
東原 相信
不動産を持ち続けていればどんどん価値が上がるという「不動産神話」はすでに過去のものとなり、空室の増加や賃料の下落などに悩むオーナーの声をよく耳にします。つまり、賃貸経営は事業者(オーナー)の「経営力」の差が空室率に直結する時代が訪れました。私は、CPMとしての知識と経験で全力でオーナーの賃貸経営のサポートをいたします。
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