令和7年度改定!マンション管理の“新ルール”をわかりやすく解説
こんにちは。管理スタッフのO(オー)です。
2025年10月に「マンション標準管理規約」が改正され、さらに2026年4月には「区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)」の改正施行が予定されています。
今回の見直しは、老朽化や所有者不明問題など、今のマンションが抱える課題を解決するための大きな一歩です。
今後10年、20年先のマンション運営を左右する重要な改正となります。
今回は、改正の背景とポイント、そして管理組合が取るべき対策をわかりやすく整理してご紹介します。
1. 区分所有法と標準管理規約の関係
まず押さえておきたいのは、管理規約は「区分所有法」という法律の枠組みの中で作られ、運用されているという点です。
区分所有法はマンション管理の基本ルールを定めた法律であり、管理規約はそれに基づいて各マンションが独自に定める具体的な運営ルールです。
つまり、区分所有法に反する内容を管理規約に定めても、法律的な効力は認められません。
このため、法律が改正されると、既存の管理規約と新しい制度との間に「ズレ」が生じることになります。
特に、総会の定足数や決議要件といった運営上の基本ルールが変わるため、早めの見直しが必要です。
2. 区分所有法改正(2026年4月施行予定)のポイント
今回の法改正は、主に以下の目的を持っています。
(1)合意形成のハードルを下げる
所有者不明による意思決定の停滞を防ぐため、裁判所の手続きを経れば、所在不明の所有者を総会の決議対象から除外できるようになります。これにより、議決が止まってしまうケースを減らすことができます。
(2)再生の方法を増やす
老朽化が進む建物の建て替えがしやすくなるよう、建て替え決議の要件が緩和されます。これまでは「5分の4以上の賛成」が必要でしたが、老朽化や安全性の問題がある場合には「4分の3の賛成」で可決できるようになります。
さらに、再生の方法も多様化します。建て替えだけでなく、一棟リノベーション(建物を丸ごと改修する方法)や、建物・敷地の一括売却、建物の取壊しなども可能になります。これにより、マンションごとに最適な再生の形を選べるようになります。
(3)管理不全を防ぐ
管理不全のまま放置されているマンションに対しては、裁判所が外部の専門家を「管理者」として選任し、適切な管理を行えるようにする制度も新設されます。
(4)その他
一部の管理に関する事項については、総会に出席した区分所有者の多数決で決められるようにする柔軟な仕組みも検討されています。
共用部分の変更に関しても、バリアフリー化や瑕疵の修繕といった合理的な目的がある場合には、これまでよりも少ない賛成数(3分の2)で決議できるよう緩和される予定です。
3. 標準管理規約改正(2025年10月施行)のポイント
区分所有法の改正を受けて、国土交通省は2025年10月に標準管理規約を改定しました。
この「標準管理規約」は、全国のマンションで参考にされる“お手本”のようなものです。
主な改正内容は以下のとおりです。
(1)総会の決議ルールの明確化・緩和
定足数は「過半数」と明記され、重要な事項についても、出席者による多数決で決められるよう見直されています。
また、バリアフリー化などの共用部分変更は3分の2の賛成で決議できるようになり、マンションの再生に関する決議要件も従来の4分の5から4分の3に緩和されました。
(2)修繕積立金の使い道
これまで「修繕」中心だった用途に加え、建物性能を向上させる改良工事や、再生手法の検討・設計にかかる費用にも充当できることが明確化されています。
(3)総会招集手続きの見直し
招集通知には「議案の要領」を記載することが義務付けられ、通知期間も従来の最短5日から1週間へと延長されました。これにより、議案内容を事前に把握しやすくなり、より適正な議決が期待されます。
(4)喫煙に関する考え方の明示
周囲への配慮を求めつつ、各マンションで使用細則によりルールを定めることができるようになっています。
4. 管理組合が今すぐ取り組むべきこと
今回の法改正は、単なる制度変更ではなく、マンションの「生存戦略」に関わる大きな分岐点です。
管理組合として、以下の3点に早めに取り組むことが重要です。
(1)管理規約の見直し
2026年4月以降の総会では、新しい区分所有法に合わせた定足数や決議要件を満たす必要があります。
放置しておくと、総会決議が無効になるおそれがあるため、2025年度中に改定準備を進めましょう。
(2)所有者情報の整理
所在不明の所有者がいる場合、意思決定が難しくなります。
区分所有者や居住者の住所・連絡先・賃貸状況を定期的に確認し、名簿を最新に保っておくことが大切です。
(3)マンション再生の検討
建て替え要件の緩和や新たな再生手法の導入により、これまで難しかった再生や改修が現実的になります。
過去に建て替えを断念したマンションも、改めて可能性を検討するチャンスです。
5. まとめ
今回の区分所有法と標準管理規約の改正は、マンション管理のルールを根本から見直す大きな節目です。
この改正に対応できるかどうかが、今後のマンションの資産価値や居住環境を左右するといっても過言ではありません。
管理規約の改定は「ただ新しくするため」ではなく、マンションの安心・安全・快適な暮らしを次の世代につなぐための準備です。
一度、ご自身のマンションの管理規約が最新の制度に対応しているかを確認してみてください。
もし不安な点があれば、専門家や管理会社に相談しながら、改定の準備を進めていきましょう。
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