連帯保証契約が大きく変わります! その①
改正民法の施行がいよいよ明日、4月1日に迫ってきました。今回は賃貸物件の大家さんに関係の深い、連帯保証人に関する改正点について、注意するポイントを順番に3日に渡って確認していきたいと思います。
極度額の設定
一つ目の注意点として、個人の連帯保証人に支払ってもらえる金額が「最大でいくらまでなのか」を、契約時に取り決めなければならなくなりました。
改正民法では、その上限金額(極度額といいます)を契約書に記載しなければ、保証契約は無効(改正民法465条の2)となってしまいます。つまり滞納等があっても連帯保証人に請求できなくなります。
その極度額の適正値については法律上で規定はありませんが、例えば「極度額は1億円」などと記載すると、公序良俗違反となり無効とされる恐れがあるそうです。あまりに高額だと連帯保証人のなり手がいなくなるという問題が出てきますので、賃料の2年分前後の設定を大家さんに提案する不動産会社が多くなりそうです。
連帯保証人に連絡する頻度が一番高いのは、家賃滞納を代わりに支払ってもらいたい時だと思いますが、何度も滞納を繰り返して毎回連帯保証人が肩代わりして支払っている場合、極度額はその分どんどん減っていくことになります。たとえば家賃が10万円で極度額が240万円の契約の時、ダラダラと滞納する借主に連帯保証人が10回肩代わりして支払っていたら極度額は140万円に減ります。退去の際などにもっと多額の保証債務が発生したときでも140万円を超えて連帯保証人に請求することはできなくなります。滞納常連者には注意が必要ですね。
借主が死亡した場合
二つ目の注意点は、改正民法では借主が死亡した場合はその時点で連帯保証人の保証すべき額が確定されてしまい、それ以降に発生した損害等は保証対象外(改正民法465条の4)と定められたことです。つなり、借主の死亡と同時に連帯保証契約が終了しますので、借主が亡くなった際は、今まで以上に事後対応を素早く行う必要が出てきます。
たとえば借主が亡くなり同居の配偶者が住み続ける場合、その後の配偶者の滞納については連帯保証人に責任を問えなくなります。この場合は新たに連帯保証人を立てる必要がありますので、葬儀が終わって落ち着いたら速やかに配偶者に通知して応じてもらわなければならないでしょう。知らずに放置してしまった場合、何かあった時に以前の連帯保証人に連絡しても「もう自分は関係ない」と言われかねません。
他にも注意点がありますので、続きは明日のブログで。
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