『ガラスの熱割れ』のお話し
先日、弊社管理物件の入居者様より、「朝起きたらバルコニー側の窓ガラスが割れていた。何かが飛んできて割れたのか、家族の不注意なのか原因が分からないため一度見て欲しい。」とのご相談がございました。
早速、現地確認にお伺いさせて頂いたところ、『ガラスの熱割れ』が原因である事が確認できました。
入居者様には使用上の不注意等の原因ではなく、自然現象によるものである旨ご説明させて頂きご安心頂けました。
そこで今回は『ガラスの熱割れ』についてご紹介させて頂きたいと思います。
1.『ガラスの熱割れ』とは
ワイヤー入りのガラスが太陽の熱や室外機の熱で温められることで、内部ワイヤーの膨張率とガラスの膨張率の違いによりガラスが耐えれなくなり自然に割れる現象の事を言います。
2.『ガラスの熱割れ』の特徴
ガラスの熱割れの特徴は一本だけひび割れが入り、放置しておくとひびが伸び、途中で枝分かれして複数本のひび割れとなることが多いようです。
物をぶつけたりして入るひび割れでは、衝撃や圧力が加わった場所を中心に放射線状にヒビが入り、ひび割れの数は無数に入ります。
3.『ガラスの熱割れ』の原因
主な原因を以下にご紹介します。
(1)経年劣化
熱割れの原因の殆どが経年劣化です。
ガラスも年数が経過すると強度が弱くなります。通常なら耐えれる熱によるワイヤーの膨張に耐えれなくなりひび割れが起こります。
(2)フィルムの設置
ワイヤー入りガラスに飛散防止フィルムや、結露防止フィルム等を貼る事で、ガラス内部に熱がこもり熱割れの原因となってしまいます。
(3)室外機の熱風
ベランダに設置された室外機の熱風が窓ガラスに直接あたり、ガラスが温められ熱割れを引き起こす場合もあります。
(4)カーテン
特殊な事例としては、夏場カーテンと窓の間に溜まった熱によりワイヤーが伸びやすくなり、熱割れを起こす事が稀にあるようです。
(5)ワイヤーの錆
熱割れとは違いますが、似たような症状でワイヤー入りガラスのワイヤーの錆によるひび割れもございます。
これは、ワイヤー部分がむき出しで設置されている場合や、窓枠内の湿度によりワイヤーが錆びる事が原因となります。
4.『ガラスの熱割れ』対策
経年劣化による熱割れを防ぐ事は難しいですが、出来得る対策方法をいくつかご紹介いたします。
・すだれやサンシェード等を設置し、出来るだけ直射日光が当たらないようにする。
・室外機の設置方向に配慮し、熱風が窓ガラスに当たらないようにする。
・ワイヤー入りガラスにはフィルム等は貼らないようにする。
・窓レール等の掃除をこまめに行う事で、窓枠内に湿気が溜まらないようにする。
5.最後に
ガラスが割れてしまった場合、加入している火災保険で修理ができる場合がございます。ガラ割れの原因により、対応できる保険も変わってきますので、まずは管理会社に相談して頂く事が良いかと思います。
また、ガラス割れを発見した際は、まずは飛散防止用の安全対策を実施して頂き、管理会社や専門業者にご相談して下さい。
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