今後マンションで予想される検討課題
管理スタッフのFです。
今回は、将来的に電気自動車(EV)の普及が進むと出てくると思われる電気自動車(EV)の充電設備について少し書いてみようと思います。
電気自動車の普及状況と今後の動向
日本の電気自動車(EV)普及率はまだ高くありません。
日本自動車販売協会連合会が発表している「燃料別販売台数(乗用車)」では、2020年(1〜12月)の電気自動車(EV)の新車販売台数は約1万5000台で乗用車全体の販売台数約250万台の約0.6%です。
しかし、経産省が2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略のなかで、「2030 年までに新車販売で電動車 20~30%、2040年までには、新車の販売で電動車と合成燃料等の脱炭素燃料の利用に適した車種で、合計100%を目指す」等の枠組みを決めたことで、電気自動車(EV)の普及に向けた取り組みが進んで行くと思われますので、普及率も上がっていくと予想されます。
電気自動車の充電は?
電気自動車(EV)の充電は大きく分けて「充電スポットの利用(急速充電)」と「自宅駐車場(普通充電)」の2つです。
・充電スポットの利用(急速充電)
主な充電スポット…カーディーラー、商業施設、コンビニ、SA・PA、道の駅etc(短時間で充電できる急速充電器が設置されています。但し、宿泊施設など長時間駐車する施設では普通充電器が設置されています。)
※ここ数年で充電スポットの数は急増していますが、利用者が多い場所では充電待ちが発生するケースもあります。一般的に充電時間は1回30分に設定されており、充電中の車があると最大30分待たなくてはならず、自分の充電時間も併せると充電完了まで1時間を要することもありえます。また、30分経って充電は終了しているのに、ドライバーがまったく戻って来ず、次の人が充電をさらに待たされるという迷惑な行為が発生しているケースもあるそうです。
・自宅駐車場(普通充電)
充電用コンセントを設置し、車両に標準装備されている普通充電用ケーブルを接続して充電します。
※充電時間は8~12時間ほど掛かりますが、夜間や休みの日など車を使用しない時間帯で充電出来ます。
マンションでの充電設備導入はハードルが高い⁉
戸建て住宅であれば比較的費用が安価な充電用コンセントを設置すれば済むのですが、分譲マンションの場合はそうはいきません。
充電設備を設置する場所は共用部分となりますし、導入費用も必要な為、当然総会での承認が必要となります。
マンションには、色々な価値観・家族構成・利用方法が混在していますので、「自分は使用しないから必要ない」と言った意見も出るでしょうし、全戸分の駐車場台数がないマンションでは、マンション駐車場を利用している方と利用していない方で意見も変わってきます。
設置場所、設置台数や利用料をどうするのかなど、検討しなければいけない事項も多く大変ですが、時間をかけて話し合い合意形成を図ることが大切です。
< 検討が必要と思われる事項>
・ 導入する充電器の種類(普通・急速充電器)、台数
・ 共用か専用使用にするか
・ 費用の負担方法
・ 維持費の負担方法
・撤去費用の負担方法
・ 設置場所
・電気容量の確認や共用電源の増設
・ 管理規約、使用細則改正や運用細則の制定の検討
・ 駐車場契約書改正の検討
・総会決議を特別にするか普通にするかの判断
・利用者に課金するのかとその方法 etc
まとめ
ご紹介したように、既存の分譲マンションで充電設備を導入するのはなかなか大変だと思います。
今はまだ普及率の低い電気自動車(EV)ですが、今後普及が進んでいくと将来的に検討が必要となる時期がやって来るのではないかと思います。
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