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2020年03月13日
賃貸経営まめ知識

4ヶ月の滞納者にたいする督促方法

 賃貸経営において、いちばん困るのが家賃滞納でしょう。空室なら工夫次第で入居者を確保することができます。しかしながら滞納は、督促という後ろ向きな作業が精神的に重くのしかかります。しかも退去させようと思っても、ひと苦労。そもそも「払います」「貸します」という賃貸借契約の大原則を守ってくれないのですから、家主さん側のストレスは相当なものです。

今回は、Q&A方式で、あるケースをご紹介します。

Q.  家賃の滞納が4カ月になりました。どのように対処すればいいでしょうか。築18 年の木造アパートで、間取りは2DK、家賃は78,000 円共益費2,000 円で、敷金を1 カ月分預かっています。一人住まいの50 歳台の男性で、契約して3 年になります。

A.  今までも、度々に家賃は遅れていたのでしょうか。

Q.  いえ、半年前に仕事を辞められて、それから数カ月後から遅れはじめました。最初は「もうすぐ仕事が決まるので待ってほしい」と言ってましたが、最近では居留守なのか返事もありません。

A.  まず大家さんの方針を決める必要があります。最悪の事態は、更に滞納期間が延びて(例えば8 カ月10 カ月とか)、そのうえで「明け渡し裁判」を実施して強制的に退去させて解決、となりますが、家賃の貸倒れは1 年分くらいになりますし、裁判費用は弁護士さんと強制明け渡し費用を含めれば100 万円を超えることも想定できます。合計で200 万円以上の損失になります。裁判の開始が遅れれば被害額は更に増えます。

 それに対して最良の解決は、この方の経済状況が持ち直してくれて、以前のように家賃を遅れることなく住み続けていただくことです。このケースなら大家さんの損害はゼロですし、次の募集に悩む必要もありません。その可能性が見出せるのか、相手の方が正直に話せる環境を作って話し合うことも大事だと思います。真ん中のケースは、家賃の滞納額は回収できないかもしれませんが、この方が話し合いに応じてくれて、もっと低額(2 万円台から3 万円台)の賃貸物件に引っ越してくれることです。条件が合えば、役所へ生活保護の申請も必要になるかもしれません。

Q.  大家がそこまで面倒を見る必要があるのでしょうか。

A.  大家さんにそのような義務はありません。ただ、大家さんが正当な権利を行使しても、相手が態度を硬化して(すでにそのような兆候が見られるようです)、徹底的に開き直ってきたら、最悪の事態に向かって突き進む可能性があります。弁護士さんに頼めば「すぐに法的措置を」と言うかもしれませんが、それは最悪のシナリオだということを知っておく必要はあります。

明け渡し裁判までいかなくても、例えば「支払督促」や「少額訴訟」という方法もありますが、どちらも「明け渡し」にはならないので、根本的な解決策ではありません(相手の方が諦めて出て行ってくれる、という可能性がゼロではありませんが)。まして過激な督促行為に及ぶと大家さんが訴えられて、もっと最悪な事態になるので、そのような行為は厳禁です。

Q.  では、どうしたらよいのでしょうか。

A.  最初の2 年半は家賃を遅れずに支払った実績があるので真面目な方だと思われます。まず冷静に話し合いを進めてはどうでしょうか。そのときは「家賃の督促」というより「これからの相談にのる」というスタンスで、相手の方がご自分の状況を正直に話せる環境が大事だと思います。

 そのうえで、
・事態が好転する兆しがあるなら待つ(期限を決めて約束が果たせないときは第二の住み替え案に従う合意文書を作成)
・難しいと判断すれば家賃の低い住居への住み替えを勧める(合意できたら日付を決めて書類を作成)
・相手が話し合いに応じなかったり、対応が不誠実で好転の兆しがないなら法的手続きを検討する。

 どちらにしても、この結論を30 日から45 日くらいの間で出すようにしましょう。もし最悪の事態になったとしても被害は最小限度に抑えたいので、法的手続きは一日も早い方がいいからです。

この記事を書いた人
東原 相信 トウハラ ソウシン
東原 相信
不動産を持ち続けていればどんどん価値が上がるという「不動産神話」はすでに過去のものとなり、空室の増加や賃料の下落などに悩むオーナーの声をよく耳にします。つまり、賃貸経営は事業者(オーナー)の「経営力」の差が空室率に直結する時代が訪れました。私は、CPMとしての知識と経験で全力でオーナーの賃貸経営のサポートをいたします。
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