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2020年03月07日
賃貸経営まめ知識

7年後のタバコのヤニ

 契約してから7 年経って借主が退去しました。タバコのヤニでクロスがかなり汚れています。故意・過失の汚れということで、クロスの張替え費用を借主に請求できますか?

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

 7年前の賃貸借契約書の「原状回復義務」についての記述が分かりませんので、「特に詳細に書かれていない」と想定してお答えします。この場合は国土交通省の「原状回復を
めぐるトラブルとガイドライン」を参考にします。

 この中で「壁クロス」は、経過年数によって年数が経つほど借主の負担割合が減ることとなっています。その年数は6 年で価値は「1円」になります。従来は残存価値は10 %と計算されたのですが、平成19 年の税制改正によって残存価値が廃止されたので「1円」となりました。

 さて、背景の説明は終わりますが、今回は7 年を経過していますので借主の故意・過失が認められても、借主が負担するのは1円ということになってしまいます(6 年を過ぎていますから)。ただ、ガイドラインには気になることも書かれています。それは、「経過年数を超えていても継続して賃貸住宅として使用可能な場合は、賃借人が故意・過失により破損汚損し、使用不能としてしまった場合には、賃貸住宅として本来機能していた状態まで戻す、例えば、賃借人がクロスに故意に行った落書きを消すための費用(工事費や人件費等)などについては、賃借人の負担となることがある(一部削除)」というものです。

 これによると、6年を超えていてもクロスとして使えるなら、タバコのヤニで使えなくした場合は元に戻す費用を貸主が請求できる、ように読めてしまいます。請求できるとしても、価値は「1円」と規定されているので、それ以上は請求できないと思うのですが・・・・。

最後は「交渉」

ここは矛盾している記述だと思いますが、交渉の際のカードとして頭の中には留めおいてください。ただ、質問の中にはないのですが、7年間の喫煙によってクロスが「かなり」汚れているなら、「臭い」も相当あるのではないでしょうか。

 臭いはクロスだけ変えても取れないでしょうから、特殊な洗浄をする必要があるはずです。この分は、臭いの証明が可能なら請求してよいと思います。

 「請求しても取れるのか」とお思いになるかもしれませんが、最後は「交渉」になりますから、交渉のカードは多くもっていた方がいいのです。

この記事を書いた人
東原 相信 トウハラ ソウシン
東原 相信
不動産を持ち続けていればどんどん価値が上がるという「不動産神話」はすでに過去のものとなり、空室の増加や賃料の下落などに悩むオーナーの声をよく耳にします。つまり、賃貸経営は事業者(オーナー)の「経営力」の差が空室率に直結する時代が訪れました。私は、CPMとしての知識と経験で全力でオーナーの賃貸経営のサポートをいたします。
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