入居を決めてもらうために
お部屋を見ていただいたら、つぎは「決めてもらえる工夫」が必要になります。
5組に見ていただいても10組を案内しても決まらないとしたら、物件の状態に「なにか」原因があるのかもしれません。
決めてもらうための、3つのチェックポイントを説明いたしましょう。
外観から部屋の入口までで勝負が 決する
物件に案内されたお客様は、まず外観を見ます。つぎにエントランスを抜け通路を通って部屋に至ります。その間に印象が悪いと部屋を見る前に「ここはやめよう」と決めてしまうお客様があります。外観とエントランスと通路等に、ゴミや「吹き溜まり」のようなものがあったり、ゴミ収集日の後始末や自転車置場が乱れていたりすると、印象を悪くされます。
いつお客様が来てもいいように、常に整理整頓しておく必要があります。「そのために管理を任せているはずだ」という場合でも、管理会社が定期的に現地に行くのは最大でも「週に一回」でしょう。「月に一回か二回」という管理会社もあると思います。
日常清掃を依頼していないなら、お客様の案内以外ではトラブルでも起きない限り現地に行かない場合もあります。物件は常に整理整頓しておく必要があるのです。
この繁忙期は多くのお客様が現地に訪れるでしょう。足らない部分はオーナー自ら「気に掛ける」必要もあるかもしれません。部屋を見る前に「決めない」と決断されてしまうのでは勿体ないですから。
暮らしたいと思える部屋
お客様は、募集条件などをインターネットや不動産会社のスタッフから得て、興味を持ったので案内に応じました。
つぎは「この部屋で暮らしてもいいな」と思ってもらえる仕掛けが必要です。まず、部屋が綺麗なことです。埃(ほこり)がたまっていないか、臭いはしないか、蜘蛛の巣や虫の死骸がないか。これが基本です。空室だから、多少の埃(ほこり)や臭気や蜘蛛の巣は仕方がないとは、お客様は考えてくれません。そのために定期的な室内掃除と空気の入れ替えをしておきましょう。ここでも「管理を任せているはず」となるかもしれませんが・・・。
そのうえで、部屋が暗ければ印象が悪いので照明器具をつけたり、生活感を演出するためにテーブルやカーテンなど設置すると印象が良くなります。これらは「モデルルーム化」といわれています。あるいは、オーナーからお客様に向けたメッセージを掲示したり、物件から周辺施設までの位置関係が分かるマップを用意したり、中にはBGM まで流す「凄腕のオーナーさん」もいるそうです。案内に同行した営業スタッフも「物件のいいところ」を説明しますが、「部屋に利点を語らせる」工夫は効果が大きいのです。
お得感と選べる楽しさ
案内されたお客様が「そこそこ気に入ったけど決断できない」というケースが多いです。ライバル物件のことも気にかかるし、「もっと他にいいのがあるかもしれない」と考えてしまうのです。そこで「さらにお客様の背中を押して差し上げる」仕掛けを考えます。
まずは、お客さまが「得した」と感じられる条件です。「1ヶ月間は家賃を無料(フリーレント)にします」とか、「1ヶ月間は家賃を100円にします」とか、「決めてくれたら液晶テレビ(自転車でもテレビドアホンでも)を差し上げます」など。もちろん、これらはオーナーの出費を伴いますので、収益面からの検討は必要です。ただ、「これで決めてくれる」なら検討の余地は大いにあるのではないでしょうか。
つぎに、お客様に「選べる楽しさ」を提供するという方法も最近では増えています。代表的なのは壁のクロスです。洋室の一面だけ、お客様が自由に壁クロスを選べるというのは喜ばれています。自分が選んだ色と柄だと愛着も覚えるでしょう。
お客様は特別な「お得感」があったり、自分だけのオリジナル感があると決断してくれます。工夫の余地があるようでしたら、考えてもいいのではないでしょうか。
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