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2020年02月24日
賃貸経営まめ知識

あるオーナの空室対策相談事例

 あるオーナーさんの空室対策の相談事例を紹介させていただきます。築15年で47㎡の2DKのマンション。2DKにしては「広め」なので、そこそこの人気もあったようです。でも、「古さ」が目立ち始め、セキュリティやインターネットなど、最近人気の設備も特に付いていません。新築の1LDKや2LDKも増えてきたので、空室期間が長くなり、空いてから6ヶ月も経つ部屋もあるとのことです。

お気持ちは分かりますが・・・

 そこで、空室対策を考えるのですが、まず物件の「秤(はかり)のバランス」が合っているか確認します。つまり「家賃と物件の価値(魅力)は均衡がとれているか」どうかです。多くの場合はバランスが家賃側に傾いているのが、決まらない「第一の」原因です。

 この場合の選択肢は「家賃を下げるか」「価値を高めるか」の2つが基本になります。価値を高めるとは、設備の追加(取替)やリニューアル工事によって「物件力」を強くすることです。

 オーナーさんに提案とたところ、どちらも難色を示されました。3つめの選択肢である「このままの条件で何とかならないか」と仰いました。秤(はかり)のバランスが合っていないところを「営業努力」で補ってほしい、ということです。このような要望をされるオーナーさんは多いです。

 誰だってお金をかけずに高く貸したい・・・・と思うのでしょう。でも、だから「なかなか決まらない」のですが・・・。

部屋の「築古感」の原因は?

 実は募集中の部屋を見たとき、なんとなく「築古感」を感じたのです。前の管理会社が「ひと通りの」クリーニングやクロスの張り替えを施工しているだけなのです。「それで何が悪い」と言われてしまいますが、15年間を「それだけ」の工事で済ませていると、
なんとなく「築古感」が漂う部屋になってしまうのです。たとえば、木枠(きわく)等の木部に色剥(はが)れや傷が見受けられたり、コンセントやスイッチのプレートは変色しています。水回りの設備(水栓や配管)の細かな隙に、落ちない汚れが入り込んでいて、ドアの取っ手もサビたり塗装が剥がれたり・・・・カーテンレールも変色しています。これらは、どんなにクリーニングしても隠せない経年変化ですが、15年も経っていると、全体的に「築古感」を漂わせてしまう原因となります。

 天井・壁クロス、床材の張り替えなどで表面を新しく覆っていると見逃してしまいますが、「場数」を踏んでいる私たちには、このような欠点が見えてきます。部屋を探しに来た人も「何となく古い」という印象を感じ取ってしまうのです。

 そこで、オーナーと一緒に部屋を見に行き、このことを説明して、木部の補修や、プレート、カーテンレール、室内のドアノブや水栓等の交換を提案したところ了承していただけました。やはり現地で説明すると理解していただけます。8畳の洋室の壁クロスは白地のものに貼り換えてありました。こちらを借主さんの希望するクロスに「カスタマイズ」できる条件にします。クロスのカスタマイズを望まない借主さんがいたら家賃を数千円下げて差し上げて、どちらか選べるようにします。こちらの提案も聞き入れていただきました。これで、秤(はかり)のバランスが戻ります。

 

見た目は大事です!

 つぎに「見せ方」の工夫をします。最初に部屋を見たときに感じたのは、建物の外から部屋へ続くアプローチが「綺麗ではない」ということでした。取り立てて「汚れている」ワケではありませんが、綺麗に整頓されている状態でもありません。内見のお客様は、最初に外観を見て、次に部屋までの通路を歩いた段階で「ここはやめよう」と結論づける場合もあります。それほど第一印象は大切です。

 外側から見た敷地内に余分なものが置かれていたり、ゴミステーションにゴミが残っていたり、自転車がだらしなく置かれていたり、エントランスの集合ポスト前にチラシが落ちていたり、ドアの前に私物が置いてあったり、通路にゴミが目立ったりすると「アウト」を宣告するお客様もいます。今回の物件は「それほど」汚れている状態ではありませんでしたが、内見者は少し「期待外れ」を感じるかもしれません。オーナーに確認したところ、家族で月1回の清掃をしているとのこと。少なくとも「週1回」は必要なので、当社の清掃サービスをご利用いただくことを勧めましたが、ご自分たちで「週一回」の清掃を行うことを約束されました。今後の入居を維持するためには、とても大切なポイントです。

 そして、部屋の中にはスリッパや玄関マット、テーブルセットなどの家具やカーテンを設置したいので予算が必要です。量販店ならセットで安く揃います。

 最後に販促費として家賃の1ヶ月分の予算をいただきました。この販促費は借主の入居条件(フリーレントなど)として活用したり、近隣の業者へのインセンティブとして使うことができます。

 オーナーと現場に行きながら、このような提案を行うと「前の不動産会社さんは何も提案してくれなかった」と仰っていました。空室に困っているオーナーから良くお聞きする「ご不満」ですね。

 さて、この物件の戦列復帰の態勢が整いました。「広めの2DK」という強みもあり、ライバルに負けない物件として十分に戦えるはずです。インターネットに掲載して、近隣の業者に告知して、早期に部屋を埋めます。

この記事を書いた人
東原 相信 トウハラ ソウシン
東原 相信
不動産を持ち続けていればどんどん価値が上がるという「不動産神話」はすでに過去のものとなり、空室の増加や賃料の下落などに悩むオーナーの声をよく耳にします。つまり、賃貸経営は事業者(オーナー)の「経営力」の差が空室率に直結する時代が訪れました。私は、CPMとしての知識と経験で全力でオーナーの賃貸経営のサポートをいたします。
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