管理会社におけるヒヤリハット!
東海地方も梅雨入りしましたね~
冬明けから続けてきた夜のウォーキング習慣が梅雨の中止期間で断たれてしまいそうな予感(期待)でいっぱいな、分譲担当田中です。(*´з`)
医療や介護現場ではよく起こらなかったけど危険を感じた事を「ヒヤリハット」と呼び必ず現場で情報共有する事になっているとの事ですが、マンション情報冊子を見ていて管理会社として「ヒヤリ」と感じる事例報告があったので今回ご紹介したいと思います。
ベランダ手すりの交換工事の進め方でヒヤリ
■事案概要
管理組合は老朽化したベランダ手すりを全体的に交換することを大規模修繕工事に合わせて検討し、総会決議を経て工事を実施。
区分所有者の一人から、ベランダ柵状の手すりをアルミ製パネルの手すりに変更したことに因り日照・通風及び眺望が害されたとして、従前の柵状手すりに戻すことを訴え求めた。
■争点
1.共用部分の変更決議で4分の3以上の賛成決議を経ているか
2.共用部分の変更が専有部分の使用に特別な影響を及ぼすか、影響を及ぼす該当者の承諾を得たのか
【特別な影響とは】
どのような場合に一部の専有部分の所有者承諾を得なければならないのか、つまり共用部分の変更が専有部分の使用に特別な影響を及ぼすか否かについてどう判断するのか…
この点について基準となる判例によると、「共用部分の変更等の必要性及び合理性と、これによって一部の区分所有者が受ける不利益とを比較衡量し、その不利益が区分所有者の受忍すべき限度を超えると認められる場合」を言うものとしています。
地裁判決でニヤリ
原告主張①:共用部分変更の具体的な説明がなされていない
《組合及び管理会社主張》
総会議案として「大規模修繕工事(アルミ製手すり設置工事を含む)実施」が提案され、手すり設置工事の科目内訳書にはベランダ手すりについて「パネルタイプ」との記載もあり、総会内質疑応答において、手すりデザインはこれから理事会で決定していくとの回答がされており、この回答を踏まえた上で承認決議に至っている
《裁判所判断》
・総会招集通知に「アルミ製手すり設置工事」が議事機構とされることが明記され、「パネルタイプ」と明記された見積書も添付されている
・その招集通知が原告を含む各区分所有者に配布されたうえで総会が行われた。
・総会質疑で「鉄製と違い腐食しない」、「デザインはこれから理事会で決定していく」と回答した上で決議がなされ、4分の3以上の賛成により承認された。
上記より、少なくともアルミ製パネルタイプの手すり設置の承認までは総会で決議されたものと認められる
原告主張②:日照、通風及び眺望の悪化という特別な影響を受ける住戸の承認を得ていない
《組合及び管理会社主張》
今回パネルタイプ選定に至ったのは暴風による飛来物の窓ガラスへの衝突回避と、周囲の高層ビルからマンション室内が見えることを防止し、ベランダからの落下物防止にもなり、事前アンケートより半数以上の所有者がパネルタイプを希望している。加えて原告以外の居住者からも日照、通風及び眺望が悪化したとの苦情があったこともない。
《裁判所判断》
・老朽化により耐久性の優れたアルミ製の手すりに交換する必要性がある
・柵状よりもパネル状の方が飛来物の衝突防止、周囲からの室内見え防止、ベランダからの落下物防止という防犯・防災の点で優れている
・居住者への事前アンケートでも過半数希望が取れており、パネルタイプによる手する選定は合理性がある
上記より、本件アルミ製手すり設置工事については「特別の影響を及ぼすとき」には該当せず、原告の承諾は要しない
まとめ
管理組合がマンションにおける生活をより安全で快適なものにする為に実施しようとした計画や提案であっても、全ての組合員から賛同を得ることは難しいことなのは重々承知していても、しているからこそ、管理会社は後々の見解相違に備えて「提案資料の表示」や「事前の意向確認」など必要性や合理性を示せる様に準備していけるようにしていきたいと思います。
関連した記事を読む
- 2026/06/15
- 2026/06/12
- 2026/06/10
- 2026/06/05

