分譲マンションにおける『孤立死』が発生した場合の対応について

最近はようやく残暑も収まり、朝晩は過ごしやすい気温になってきましたね！
夏場の疲れのせいか、持病の腰痛に悩まされるお年頃の管理スタッフＯです。（←イニシャルでオーです。）

さて、今回は「分譲マンションにおいて孤立死（孤独死）が発生した場合の対応」についてです。

分譲マンションにおいて孤立死が発生した場合、マンションに与える影響が甚大になるケースも想定されます。孤立死の問題は他人事ではありません。今後想定される事態に備えて予め管理組合としての対応ルールを策定しておくことが肝要です。

そこで、孤立死発生の影響を最小限に抑え、迅速な対応を可能にするための細則例を作成してみました。

皆様の管理組合活動の一助として参考にして頂ければ幸いです。

孤立死発生時の対応細則【例】

第1条　目的
本細則は、〇〇〇〇マンション（以下「本マンション」という）内で孤立死（孤独死）が発生した場合の対応手順を明確化し、迅速かつ適切に処理することで、本マンションの秩序および安全を保持することを目的とする。

第２条　適用範囲
本細則は、本マンションの全居住者、およびその代理人及び相続人に適用する。

第３条　安否確認の実施

（１）安否確認の手順
高齢者、独居世帯、定期的に連絡が取れなくなるリスクが高い居住者には、管理組合が自主的に安否確認を行うことができる。
また、異常が疑われる場合、居住者本人、または緊急連絡先に対して電話や訪問により確認を試みることができる。

（２）住民からの報告
他の住民が異臭、郵便物の溜まり、長期間の不在などの異常に気づいた場合、管理組合または管理会社に速やかに報告する義務を負う。

第４条　警察への通報

（１）異常の確認
管理組合または管理会社は、報告や異常が確認された場合、直ちに警察に通報し、指示に従って対応する。
管理組合の役員および管理会社が居住者の部屋に無断で立ち入ることは原則として禁止されているが、警察の指示に基づく場合は例外とする。

（２）調査への協力
警察による調査に対して、管理組合および管理会社は必要な情報提供や調査への協力を行う。

第５条　遺族や相続人への通知

（１）連絡手順
警察が死亡を確認し、身元が確定した後、遺族や相続人に対して管理組合または管理会社は必要な連絡を行う。
緊急連絡先が事前に登録されている場合は、速やかに通知する。

（２）連絡不在時の対応
遺族や相続人が確認できない場合、警察または行政機関の指示に従い、遺体の処理および部屋の管理に関する手続きを進める。

第６条　特殊清掃および原状回復

（１）特殊清掃の義務
遺族や相続人は、孤立死が発生した部屋において発生した汚損や臭気を除去するための特殊清掃を行う義務を負う。
管理組合または管理会社は、専門業者の紹介や手配を支援する。

（２）清掃費用の負担
清掃費用は原則として遺族または相続人が負担する。
相続人不明や遺族による対応が困難な場合、管理組合が清掃を代行し、その費用は後日相続財産から清算することができる。

第７条　部屋の所有権および管理費等の扱い

（１）相続手続き中の管理費
遺族や相続人が判明していない間でも、当該部屋の管理費等および修繕積立金は発生し続ける。これらの費用は相続手続き完了後、相続人に請求する。
相続人が不明な場合、国庫帰属が確定するまで管理組合が一時的に立替えることができる。

（２）所有権の移転
相続が確定した場合、所有権移転の手続きを速やかに進めるよう相続人に対して促す。管理組合はその間、当該物件の維持管理に支障をきたさないよう対応する。

第８条　住民への周知および対応

（１）住民への説明
孤立死が発生した場合、管理組合は住民に対して必要な範囲で状況を説明し、マンション全体への影響がないことを周知する。ただし、故人のプライバシーを保護するため、詳細な個人情報の公開は控える。

（２）不安解消の取り組み
孤立死が発生した部屋の清掃や消毒作業の進捗状況を住民に適宜報告し、住環境の安全性を確保するための努力を説明する。

第９条　再発防止策

（１）コミュニティ活動の推奨
管理組合は、住民同士のコミュニケーションを促進する活動（交流イベント、掲示板での情報共有など）を積極的に推進し、孤立死を防ぐためのコミュニティ作りを奨励する。

（２）定期的な見守り活動
管理組合は、高齢者や独居住民等に対して定期的な見守り活動や安否確認の実施を推奨し、住民に対する啓発を行う。

第１０条　施行日
本細則は、●●●●年●●月●●日の総会承認後より施行する。