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2020年06月03日
賃貸経営まめ知識

仲介会社との付き合い方

 賃貸経営の上で「困った入居者さん」に悩まされている大家さんは多いと思いますが、反対に、大家さんが原因となって「入居者さんを困らせる」という事態が起こることがあります。滅多にないケースですが、「そういう事例もある」ということを紹介させていただきます。

管理会社とは別の仲介会社に募集を・・

 Aさんは、不動産の勉強をして所有物件を少しずつ増やそうとしている、いわゆる投資家大家さんです。ある時Aさんは、郊外に築古のファミリー物件を購入しました。とある企業の社員寮が解約となり、全部屋が空室となってしまったその物件を、金融機関の勧めで購入したもので、Aさんにとっては初めての大型物件です。管理会社とも契約したのですが、20世帯以上もある空室を早く満室にするために一社の募集では不安と感じたAさんは、同じ不動産投資をしている仲間の勧めで自分でも不動産屋さん回りを始めました。すると、回った先の仲介専門の不動産屋さんに、「管理会社を通さないで直接契約させてもらえるならお客さんを紹介する」と言われたのです。管理会社の担当者に話したところ、「仲介しかやらない会社に直接客付けを依頼すると、入居者の質が下がる可能性がありますよ。管理会社が入っているのに直接契約をしようとする仲介会社さんは、あまり良い会社ではないと思いますけど。」と難色を示されました。しかし、早く満室にしたい一心のAさんはその仲介会社に客付けを依頼してしまいました。管理会社からは「これだけの空室を1~2ヶ月で満室にするのは難しいですし、いまのペースでも順調に決まっている方だと思いますが、Aさんがその会社にも依頼したいと仰るなら仕方ありませんね。でも、私たちが入居審査も契約もタッチしないお部屋の責任は取れません。」と釘を刺されました。

それが連続トラブルの始まりだった

 仲介会社はその言葉通りに、すぐに一部屋を決めてくれました。Aさんは喜びましたがそれもつかの間、何とその部屋の入居者さんに対し近隣の部屋から苦情が入り始めたのです。夜中に友人を呼んで飲み騒いでいる、駐車場に勝手に友人が車を駐める、ごみの分別をしないし収集日を守らない、などの苦情です。客付けをした仲介専門の不動産屋さんは、「当社は仲介だけで管理していませんし、入居審査は大家さんにお任せしましたので、そこまで責任は負えません」と真剣に対応してくれません。管理会社に相談してみても、「うちが契約しておらず、家賃も大家さんに直接入っている入居者さんのクレームには対応出来ません。」と言われてしまいました。当初から釘を刺されていたので仕方がないと、Aさん自身が注意の手紙を出したり電話をしたりしたものの、その時は収まってもしばらくするとまたマナー違反を繰り返すため、ついに業を煮やした隣の人が退去するという事態になってしまいました。

 入居者の管理責任を持たない会社に仲介を頼むと入居者の質が下がる、ということを身を以て体験したAさんは、これ以上退去者が増えたらどうしようかと心配の日々を送ることになりました。

共用部の電気を止められる、という事態に

 そしてそうこうするうちに、なんと次の悲劇がAさんを襲ったのです。管理会社からかかって来た一本の電話で、大家さんとしてはやってはならないミスが発覚したのです。その電話とは、「共用部の電気代が数ヶ月支払われていないので共用電気が止められてしまった」という内容でした。

 この物件は給水ポンプが止まると断水するらしいと、入居者さんたちが大騒ぎしていると言うのです。慌てたAさんが確認すると、電気代が引き落とされるはずの口座に現金が不足していました。当然督促状が来ていたはずですが、Aさんは節税のためにいくつかの法人名義で不動産を所有しており、この物件の所有法人の住所が、倉庫代わりに使っている当物件の101号室になっていたため、督促状はそこに投函されてしまっていたのです。そして、いきなり断水すると入居者さんに迷惑がかかるためか、電力会社から全世帯に手紙が送られていたのです。ご丁寧にAさんの実名入りで、物件所有者が共用部の電気代を支払っていないために水が止まります、と書いてあったそうです。それを見た入居者さんたちがビックリして、次々に管理会社に電話をかけて来た、と言うのが事の真相でした。

 中には「こっちは家賃も共益費もちゃんと払っているのに、大家が電気代を滞納するなんてとんでもない!」と怒っている方もいます。管理会社を通じて入居者さんに事情を説明し、すぐに電気代も支払ったので断水は免れましたが、ファミリー物件なので奥様たちの噂が早く広がって、「ここの物件の大家さんは困った人だ」というイメージが付いてしまったそうです。電気が止まりそうになったことで、Aさんの財務状況まで疑われ、「差し押さえになるかもしれないから早く退去した方がいい」という噂まで流れる始末です。

 一度こうなってしまうと悪いイメージはなかなか払拭出来ないのか、以降も入居より退去の方が先行して、一度も満室になっていないそうです。

入居者さんは常連客と同じ、という教訓

 大家さんと管理会社で交わす賃貸管理契約は、入居募集は「管理会社に一任する」という形態が通常です。入居者がトラブルを起こしたときに対応すべき管理責任の無い不動産会社に直接契約を許すと、今回のようなトラブルが起こる可能性が大いにあります。空室を早く決めたいのなら、管理会社を通じて近隣の不動産会社に紹介依頼を流すのが正しい手順でした。そして、大家さんから相談された管理会社も、毅然とした対応で大家さんの考えの過ちを指摘して説得するべきだったと思います。

 毎月家賃を支払って下さる入居者さんは、普通の商売で言えば常連客のようなものですから、その信頼を損ねないようにするのが「最も大切だ」という教訓を学んだAさんでした。

 当社は不動産管理の専門会社です。当社は仲介を業としていないため、仲介会社へすべての情報を提供し物件をきちんと紹介してもらうことが可能です。入居者募集も中京ハウジング(株)にお任せ下さい。

この記事を書いた人
東原 相信 トウハラ ソウシン
東原 相信
不動産を持ち続けていればどんどん価値が上がるという「不動産神話」はすでに過去のものとなり、空室の増加や賃料の下落などに悩むオーナーの声をよく耳にします。つまり、賃貸経営は事業者(オーナー)の「経営力」の差が空室率に直結する時代が訪れました。私は、CPMとしての知識と経験で全力でオーナーの賃貸経営のサポートをいたします。
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